ロケット仮形状モデルを使用した、飛行時の機体周り流れ解析の結果図です。
この解析の条件値としては、ロケット飛行速度は毎秒数百m、進行方向と10°ほどの迎え角。
そして、高度1万m以上の高空を想定し、大気温度は-40℃以下で大気圧力も地上の1/4ほどとして、圧縮性流れの高マッハ数流れ解析で解析計算をしています。
次図は、ロケット機体表面の圧力を色分布と等値線分布で示し、同様に軸断面での圧力色分布と軸断面での流れ線群を表示した解析結果図です。
機体の先端や機体後端あたりの安定翼部分、ロケットエンジン噴射部あたりからも圧力の高い円錐面が見えており、マッハ流れの影響を受けている円錐圧力面であると推定出来ます。
次図は、ロケット機体軸断面の速度色分布と軸断面上での流れ線群を示しています。
これによって、ロケット機体が進行方向に対して迎え角を持っていることが分かります。
そして、ロケットエンジンから噴射するジェットは毎秒2,000mほどの噴射速度としているため、噴射ジェットは全体が赤くなっています。
次図は、ロケット機体軸断面でのマッハ数分布を色で示しています。
ロケット機体本体表面は圧力色分布です。
次図は、ロケット機体の迎え角状態で空気に当たる面(この場合は下面)の圧力分布を色分布と等値線で見たものです。
あまり大きな圧力は機体表面にかかっていませんが、機体表面にある突起物(安定翼の付け根など)は局所的に圧力が高くなっています。
そして次図は、ロケット飛行時の迎え角を持って当たる面の逆側(背側)の機体表面圧力分布を、色と等値線で見たものです。
これらの結果図から、今回、このモデルに対する試験的なロケット飛行時流れ解析は、問題なく評価出来そうであることが分かりました。
次は、より大きな外部流れ解析領域と、より細かい解析計算用メッシュ数での解析を行います。
そして圧力中心の位置算出、XYZ方向の各揚力、抗力などの計算値を求め、それらの結果をまとめて評価します。
特に機体表面の圧力分布は、それを構造解析の材料表面圧力分布データに出力出来るため、機体の構造と材料を決めて、流体と構造の連成解析で機体各部の安全率や変位を求めることが可能です。