超小型衛星を打ち上げる際に使われる、小型液体ロケット用の燃料を高圧圧送する電動ターボポンプの設計例です。
小型液体ロケットの高圧圧送する燃料は、ケロシンと液体酸素の組み合わせを想定しています。
現在、超小型液体ロケット用に使われる電動ターボポンプは海外で最近開発されていますが、弊社でも高速ポンプ設計技術と高速電動機を組み合わせた超小型液体ロケット用電動ターボポンプを設計してみたものとなります。
これに使われる高速回転電動モーターは、キャンドタイプとしてステーター部分が燃料から隔離されています。
それにより、モーターの永久磁石ローター部の軸受けは燃料中に浸されるすべりタイプを設計しており、自己動圧で軸が浮かんで回転しますので高速回転に耐え、ある程度の振動を吸収することが可能です。
この電動ターボポンプのポンプインペラは、高速回転によるポンプ入口吸い込みキャビテーションによる流れの閉塞を防ぐために耐キャビインデューサーを持ちます。
ポンプインペラ(羽根)は高圧を発生することでインペラ背面に高圧がかかりますので、それによる軸方向スラスト力を低減するためにインペラと逆側にスラスト釣り合いディスクを入れています。
この液体燃料高圧圧送用電動ターボポンプは、モーター出力の低いタイプとして設計していますので見て分かるように、モーター部の軸方向長さが短い設計になっています。
より大出力の電動ターボポンプにするためには、モーター部のローター軸方向長さを長くすることで比例して大出力化が可能です。