水車比速度が100で出力が495kWの渦巻きケーシング型フランシス水車の流体解析シミュレーションの結果図です。
まず上図1〜2枚目は、フランシス水車運転時の内部流れの様子を流れのベクトル矢印で表した解析結果図です。
流れの矢印がケーシング内を均一速度で流れ、スピードリングに流れ込み、ガイドベーン、ランナ、吸出管とスムーズに流れている様子が確認できます。
ランナ出口の旋回流は、わりと抑えられているほうであり、吸出し管効率も良い状態です。
また3〜5枚目は、ガイドベーンからランナベーンに入り込む流れをランナボス近傍円錐曲面上で流線群を使って確認した図です。
ガイドベーン部では絶対速度流れ、ランナ内では相対速度流れとして流れ状態を見ています。
ガイドベーン翼間流れは入口から出口まで均一に流れ損失が少なくなっており、ガイドベーン出口絶対速度とその流れ角も予定どおりです。
そして、このボス近傍のランナ内流れを見ると、相対速度流れはランナ入口で滑らかに翼間に流れ込み、翼間出口まで非常に滑らかな乱れのない流れとなっています。
しかし、ランナシュラウド近傍の流れ円錐曲面上の流れを流線群で確認すると、ランナ入口部がかなり曲がりが大きくなって圧力面で剥離が見られる点と、ランナ出口流れのランナ回転と同方向の旋回が残っている点が気になります。
あと、ランナ翼中間部の流れ円錐曲面上での流れ状態ですが、ガイドベーン部流れは問題なく、ランナ入口部での迎え角も適切です。
ですが、ランナ出口部スロート部での急激な速度上昇が気になる点と、ランナ出口後の流れのランナ回転と逆方向への旋回流れが残っていることが気になります。