スケルトンメカロボット掃除機の空気とゴミが流れる流体部の流れ状態を、吸込部ノズル部からサイクロン部、高速回転ブロワー部、 そして空気を排気する吐出部まで完全に再現し、流体解析シミュレーションを行いました。
解析結果の3次元流線図では、空気の流れが掃除機の吸込みノズルからサイクロンゴミポッドを通り、高速ブロワーが空気を吸込み、 ブロワー吐出部で一部空気がバッテリーを冷却しますが、排気された空気は後方に流れ出すと共に、一部排気は吸い込みノズル部へも戻っていることが分かります。
また、サイクロンゴミポッドに吸込まれた空気は確かにサイクロン旋回を起こしており、内部のメッシュを通って上部サイクロンからも吐出される様子がはっきり分かります。
この解析結果流れに、ゴミに相当するパーティクル粒子を入口から入れてやれば、サイクロンでのゴミ分離の様子も見ることが可能です。
しかし、サイクロンゴミポッド部内での流れは均一ではなく、やはりブロワーの吸い込み部に近い位置から重点的に空気がブロワーに吸込まれるという、イメージ的にも当たり前な流れが見られます。
つまり、サイクロン内流れはブロワーへの吸い込み位置に起因する理由で均一ではないと言う、重要な視点を確認出来る結果図です。
そして、毎分7万回転以上という高速回転のブロワーがこの解析計算上でも、きちんとその高速回転状態でブロワ羽根が回転して空気を吸い込み、 ディフューザー羽根で軸方向に整流されて、後流のモーターと制御ECUを冷却しながら、一部の空気はバッテリー室に送られて冷却しているということも確認できます。
さらに、高速回転ブロワー部の3次元流線流れを拡大して見たものでは、ブロワーが高速な流れを作っていることを確認できます。
この流体解析シミュレーションでは風量は最大値に近い運転状態なのですが、色々な測定位置での解析計算結果値から、 ブロワー部は吸い込み仕事率が約70W程度であり、バッテリーを使うロボット掃除機であれば最大動力として妥当な値で運転出来ることが確認出来ました。