ターボエンジン設計

小型ターボファンエンジン

自主的設計のひとつとして、小型のターボファンエンジン(ジェットエンジンです)の設計を進めています。

ターボファンエンジンは、ターボジェットエンジンでタービンの吸収動力を増やし、その吸収馬力の上がったタービンにより駆動される大きめのファンを付けて、そのファンによりジェット流よりも飛翔体の巡航速度に近い噴出流とすることで燃費を稼ぐタイプのジェットエンジンと考えれば良いと思います。

そのようなターボファンエンジンでも特に超小型に分類されるタイプとして現在設計を行っているのが下図の計画図となります。

小型ターボファンエンジン設計図1

このターボファンエンジンの最大直径は230mm、全長は600mmとなります。

小型ターボファンエンジン設計図2

ターボファンの構成としては、一番前に軸流高比速度ファンが1段あり、そのファンからの送風の一部はバイパスをして後方に噴射され、残りの送風はメインの圧縮羽根となる斜流コンプレッサーブレードにて高圧の空気となり燃焼室に供給されます。

燃焼室はリターン型の構成をしており、そこで発生した燃焼ガスはラジアル型タービンの入口案内羽根を通ってラジアルタービンブレードに入り、タービンブレードを高速で回転させ、その後の燃焼ガスがエキゾーストパイプ通って後方に高速で噴射されます。

以上が今回計画のターボファンエンジンの構成となり、かなり小型のターボファンエンジンを実現しようとしています。

流力設計が必要な部分の形状はほぼ固まりましたので、今後は軸受けなどの詳細構造を決めて構造図の完成を行います。

小型ターボファンエンジン用斜流コンプレッサー羽根設計

用斜流コンプレッサー羽根1

左図が斜流コンプレッサーの背側に張り付いているラジアルタービンブレードとなります。

なぜ張り付いているかと言えば、リターン型の燃焼器なので斜流コンプレッサー方向に流れが戻り、そこに遠心タービンの入口ガイドベーンを設ける場合にわざわざ羽根と羽根の間隔を開けなくてくっつけてしまえば長さ方向の短縮も出来るのでより良いという訳です。

用斜流コンプレッサー羽根2

このラジアルタービンの羽根形状の特徴を説明すれば、まず羽根入口から出口までの膨張比が大変大きく、しかも高比速度タイプの遠心型タービン羽根となっています。

それには意味があり、1段のタービン羽根で圧力降下を充分にさせる為の工夫です。

用斜流コンプレッサー羽根3

横から見る左図では、ターボファンエンジン入口から初段の軸流羽根、そして斜流コンプレッサー羽根、最後にラジアルタービン羽根から後ろに噴射と流れの進む様子を想像して頂けると思います。

最大直径230mm小型ターボファンエンジンの全体イメージ図

最大直径が230mmしかない小型のターボファンエンジンを構想設計中ですが、その全体イメージをご覧頂きたいと思います。

最大直径230mm小型ターボファンエンジン1

メイン斜流コンプレッサーの上流に軸流ファンをわざわざ設けたのも、ファンによるバイパス風を確保して、小型のジェットエンジンで少しでも燃費を向上させる狙いからです。

最大直径230mm小型ターボファンエンジン2

一番太いフランジ外径部で直径230mmとなり、全長は600mm程度です。
入口の軸流ファン径は140mm程度であり、必要な圧力を確保する為にはタービンは高速にならざるを得ません。
回転数は約5万回転~10万回転となります。

それに耐える羽根強度、ベアリング種類と形状・寸法の選定、羽根自体の素材の選定、燃焼器形状の良否、各羽根部の効率推定値など考えられることはまだ山積みです。

また補機関係の検討もやらなければターボファン入口管外側部に取り付ける機器のサイズも分からないことになります。

小型ターボファンエンジン設計 途中経過

自主的に設計中である小型ターボファンエンジン設計です。

小型ターボファンエンジン設計1

進捗の主なところは、動翼に対する静翼部のおおまかな形状を構築してみた部分となります。

小型ターボファンエンジン設計2

それともうひとつの大きな進捗部分は、リターン型の燃焼器部分の形状を生成したところとなります。
燃焼器のケーシング外形形状などが出来ていますが、それに必要な燃焼保持部分構造や希釈空気孔部分などはこれからとなります。

旋回流を作る静翼、そしてそれを受け取る動翼、これがマッチングしてこそ高効率のタービンとなりエネルギーの無駄を最小限に抑えることとなります。

小型ターボファンエンジン用ラジアルタービンの形状

小型ターボファンエンジン用ラジアルタービン1

計画設計進行中の左図3次元計画の小型ターボファンに使う原動機となるラジアルタービンの羽根姿を少し詳しく見てみます。

小型ターボファンエンジン用ラジアルタービン2

形状が分かり易いように、金属表面のテカリが見えるレンダリングを行ったラジアルタービンが左図です。

小型ターボファンエンジン用ラジアルタービン3

そして左図は、耐熱鋼表面となるレンダリングを行ってラジアルタービン形状を見ているものですが、こちらの方が羽根形状は分かり易いですね。

ラジアルタービンは、半径の大きな円筒側面形状となるガス入口を持っており、その入口でボス側に沿って流れるガスからシュラウド側に沿って流れるガスまでの複雑な空間形状内をガスが流れて行きます。

その為、翼間の流れは一定のものではなく、3次元的に大変複雑な流れとなっています。

しかし最終的には羽根出口で軸に対する絶対旋回成分が小さくなるように羽根出口角度で排出しますので、出口羽根形状は遠心コンプレッサーの入口インデューサーのようなものとなっています。

入口から出口にかけてあまり急激に流路が広がると流れに滞る部分も出来、効率が悪くなることとなる為、膨張比と通路長さには気をつけないといけません。

一般的に加速流となるタービンの羽根間相対流れは、減速流に比べて効率の低下が少ない為、短い羽根翼間通路でも効率を高く保てる利点があります。