水力タービン

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収

自然エネルギー利用ではありませんが、無駄に捨てられているエネルギーを回収するという省エネに結びつく水力タービンの利用形態が、プラントのパイプラインなどでの圧力エネルギーの回収となります。

たとえば、水道配管やプラント液体用配管などで減圧弁で圧力を減じている場合は、減圧弁から振動や音という形でエネルギーが無駄に捨てられています。

また、海水淡水化施設などでは浸透膜で分離した海水側に非常に高圧の残圧が残ってしまいますので、これをそのまま捨てると大きなポンプエネルギーの無駄になることから、下図のような高圧向け水力タービンを設計して使うと有効なエネルギー回収装置となります。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

中心部の入口から高圧液体が入り、両側に分かれながら2段の遠心型水力タービンランナを通る時に液体の圧力を回転動力へと変換して主軸の回転力に変えます。

圧力エネルギーを水力タービン主軸回転力に変えたものは、発電機を回して発電を行うことも出来ますが、淡水化施設の場合は元々のポンプの回転をそのまま補助してやるか、またはポンプの出口にこの水力タービンで駆動されるブーストポンプを取り付けて元々の高圧ポンプの吐出圧を下げる省エネを行ったりします。

水道配管であれば、受水槽の減圧弁などが省エネの候補であり、ビルなどの施設で上部タンクから落ちる水を減圧しなければならないところも候補です。

これら省エネに使う動力回収用水力タービン施設は、その設備を付けることにより年間にどのくらいの電気代を減らせるかを算出して、その3年分以内でタービン施設が出来れば非常に優秀な省エネとなりましょう。

設備設置費用と回収年月の関係、これはこのような省エネ設備を増やしていく場合には最も重要な要素ですが、いろいろと難しい問題も含むこととなります。

この動力回収タービンは水力だけでなく、蒸気のエネルギーを回収する場合でも有効となるものです。

それについてはまた別の機会に紹介します。

ランナ可変ピッチプロペラ水車の実験装置計画図

ランナ(動翼)のブレード(翼)が可変角度となり、ガイドベーン(静翼)は固定としている構造のランナ可変ピッチプロペラ水車の性能実験を行う装置計画しています。

まず流水部のみの流力形状3次元モデルが下図となります。

ランナ可変ピッチプロペラ水車の実験装置計画図1

流力モデルを基に詳細実験装置構造計画図が以下となります。

ランナ可変ピッチプロペラ水車の実験装置計画図2

全体計画図が左図です。画面内左側のレデューサーパイプから電動バタフライ型入口弁を通ってドラム型のケーシングに水が導かれ円筒状ケーシング内に充満します。

次にドラムケーシングの下部にある固定ガイドベーンを水が通って旋回流れが作られ、それが可変ピッチ機構を持つランナブレードを回転させ、その下のテーパ型の吸出管を通り放水路に排出されます。

ランナ可変ピッチプロペラ水車の実験装置計画図3

ランナブレードの可変ピッチ機構はランナコーン内に格納されており、それを左図にある水車上側のVベルトプーリーの更に上にある手動ピッチ変更ネジ部でランナベーン角度を調整可能です。

つまり実験用ランナブレード可変ピッチ機構なので、実験時には水車発電機を止めた時にランナベーン角度の調整を行うこととなります。

ランナ可変ピッチプロペラ水車の実験装置計画図4

見る角度を変えて水車実験装置を見たのが上の図です。

水車円筒ケーシング上部のVベルトプーリーから回転動力はVベルトを通じて画面左側誘導発電機の下部についている(画面では見えていませんが)小プーリーに伝達され、水車の回転数よりも高速で誘導発電機が回転します。

この誘導発電機は定格回転数のみで回るのではなく、発電機の励磁電圧をインバーターにて変えてやることで、回転数可変制御を可能としているタイプとなり、プロペラ水車の色々な可変ピッチ毎の回転数可変による、流量・圧力・出力を測定出来、水車発電機運転特性を非常に広い範囲で測定することが可能です。

この広い範囲の特性測定は、この可変ピッチランナプロペラ水車発電機の適応範囲の広さを証明出来、国内の色々な水力地点での適応を可能として、水力発電の開発可能性を大変に増やすものとなる研究となります。

この実験装置については、適切な水力発電使用可能地点の選定の後、実際に実験を開始する時期もそう遠くではないと予想しています。

一斉に動くガイドベーン群 複雑なリンク機構により作動 

全ての羽根が一斉に動く、ターボ機械独特のリンク機構部を詳しく紹介したいと思います。

ガイドベーン(案内羽根)リンクモーション部の詳細となります。

14枚の羽根がそれの軸を中心に一斉に動く構造です。


それぞれのガイドベーンの軸は、ガイドベーンアームに取り付けられ、それをガイドリングと呼ぶ回転する輪っかが、それら全てのガイドベーンアームを回転させます。

この角度から見ると構造が分かり易いように思います。

これは静翼のピッチ変更機構ですが、これを動翼のピッチ変更にも応用は可能です。

この可変ピッチ機構は、流量の変動や部分付加運転などに最適で、ターボ機械の運転範囲を広げ効率も改善するので、今後は採用が増えるでしょう。

水力タービンのケーシングを簡素化形状とした時の効率への影響はどうか?

水力発電に用いられる水力タービンを高価なものから設置し易い適正な価格とするためには、どのようなタービン本体への工夫が必要であるかを考えると次のようなことが考えられます。

1.設計時に高速回転型タービン設計を採用して全体を小型化する。
2.案内羽根リンクモーション機構などの複雑な部分を簡素化する。
3.タービン特有の大きなケーシング形状を採用するのではなく、効率にそれほど影響を与えない簡素化したケーシング形状を採用する。


タービンの廉価化を実現する1.と3.の方式を採用したのが、次の図のプロペラ型タービンです。

水力発電 フランシス水車のガイドベーン形状生成機能プログラム2

タービンの動翼廻りの大きさは、一般的な設計に対して6割ぐらいの大きさとなるように、高速型設計を行っています。
そしてタービンのケーシングについては、このようなプロペラ水車の場合にはバルブ型水車と呼ばれる横軸の膨らんだ円筒形ケーシングとなることが多いのですが、本設計では水車本体が使う設置面積を最小にするために導水管から来た流れを直角に下方向に曲げる垂直方向円筒形ケーシングとなっています。
このような直角な流水の曲げのあるケーシングでは圧力の損失が大きそうですが、流れを解析してみたところではそれほど効率が悪いことはなく、充分に高効率なタービン性能を発揮しています。
以上のことから、水力タービンのケーシングはパイプ状の形状を持つシンプルなものが性能優秀だけれども廉価であるものとして増えていくでしょう。

マイクロ軸流水力タービン羽根 可変ピッチ可能 20年前製作

マイクロ軸流水力タービンの羽根部が次の写真となります。

水力発電 フランシス水車のガイドベーン形状生成機能プログラム2

このマイクロ軸流タービン羽根は、ボス部とブレード部を組立て方式としているので、可変ピッチを行うことが可能です。

可変ピッチ作業は手動で行いますが、非常に小さいので手軽に可変出来、水量の変化に追従して調整することが簡単に行えます。

羽根の翼型は、運転時の砂等での磨耗を考え相当に分厚い翼厚み分布としていますので、長く故障せずに発電を続けることが出来ます。

この羽根の直径は80mm程度の小さなものです。羽根ボス部は、高力黄銅の丸棒からの削り出し、羽根ブレードは鋳造品からの機械加工+手仕上げとなっています。

プロペラ型の水力タービンなので回転数は高速で運転出来、3000~5000rpmの間ぐらいで発電機を回転させ電気を発生させます。

回転数が可変するこのぐらいタービン用の小さい発電機であればタイプとしては直流発電機方式が良く、直流出力は最終的にインバーターで交流に変換され通常の電気機器で使われます。