水力タービン

水力発電 フランシス水車設計ソフトウェア

水力発電 フランシス水車設計ソフトウェア1

これはフランシス水車設計用ソフトウェアの設計過程における画面ショットを重ねて並べてみたものです。

設計は、これまでの設計ノウハウを詰め込んだ設計データベースを使ってある仕様での最適な性能となるように設計係数値などを適切にプログラムが選定しながら設計計算をまず行っていきます。

そして次は、水車の最も基本的な形を決める子午面形状を、これも綿密に作成している形状データベースが選定した形状値を使って造り上げていきます。

更に羽根の3次元形状で性能優秀な羽根となるように3次元羽根生成アルゴリズムが滑らかな整った羽根形状を生成していきます。
そしてその3次元羽根形状をリアルタイム3次元表示などで確認しながら最終の全体ランナをプログラムが造り上げます。
その最終3次元設計形状が昨日見て頂いたような3次元表示となって、製作用のデータも同時に作成されることとなり、設計が終了します。
このプログラム開発をトータルでみると、構想からは3年ぐらいはかかったように覚えていますが、まさに試行錯誤の連続であったように思います。

水力発電 フランシス水車のガイドベーン形状生成機能プログラム

見て頂いた「フランシス水車設計ソフトウェア」において、ガイドベーン形状生成機能について少し説明を行います。
フランシス水車のガイドベーンとは、ランナ羽根に水が流入する旋回流を作るために必須の案内羽根であり、これがなければフランシス水車は優秀な性能を出すことが出来ません。

水力発電 フランシス水車のガイドベーン形状生成機能プログラム2

こちらがガイドベーン形状生成機能を使ってガイドベーンをランナ周りに配置してみたものです。

このガイドベーンを生成する場合には意外と生成パラメータは多くなり、たとえば出口角度・スロート面積・枚数・羽根中心位置割合・最大厚み・前端径・翼素形状円弧半径各種など全てを調整出来るようにしています。

たとえば流量はスロート面積で決まりますし、出口角度は羽根効率を決めます、そして羽根前後長さは可変作動時必要回転トルクを決めるなど色々と考えることは多いです。

このガイドベーン生成アルゴリズムは、他のターボ機械、たとえば遠心ガスタービン案内羽根やターボブロワ・ターボコンプレッサーの可変ディフューザー、遠心蒸気タービン入口可変ノズルなど応用範囲の広いものとなっています。

水力発電用 フランシス水車 比速度ごとの子午面形状

水力発電に使われるタービンである「フランシス水車」は、流量・落差・回転数により計算される比速度と呼ばれているものの値が、100~300ぐらいとなります。
比速度とは、その値が大きいほど大量の水をタービンに飲ませることが可能であると考えれば良いと思います。
タービンに働く水の量が変わると同じフランシス水車でもその断面形状(子午面形状ともいいます)がかなり異なります。
それが分かりやすいように以下では、比速度ごとのフランシス水車羽根の断面形状を示して見ます。

図は、比速度Nsが下限である100付近の97ぐらいでの子午面断面形状となります。

水力発電用 フランシス水車 比速度ごとの子午面形状1

この比速度100ぐらいの断面形は、遠心ポンプの断面形に近いものとなります。
下の断面は、比速度150ぐらいの子午面形状となります。

水力発電用 フランシス水車 比速度ごとの子午面形状2

この比速度150ぐらいのフランシス水車は性能も良く、フランシス水車比速度の中でも多くの発電所で使われるものとなります。

次の図は、比速度200ぐらいのフランシス水車子午面断面図となります。

水力発電用 フランシス水車 比速度ごとの子午面形状3

比速度200ぐらいまでがフランシス水車が一般的に使われる比速度の上限ぐらいでしょうか。

そしてこのぐらいの比速度では、たくさんの水を羽根に飲ませる為に、羽根入口高さが非常に大きくなっており、それにより羽根面形状は複雑な3次元曲面となり、設計するのも手間がかかります。

そして最後の図は、フランシス水車限界比速度300ぐらいのものです。

水力発電用 フランシス水車 比速度ごとの子午面形状1

ここまでの大きな比速度のフランシス水車では、そのブレードは出口が広がったスパンの長い形状となり、もはや斜流水車かプロペラ水車にしたほうが良いぐらいの少々無理の入った子午面形状となります。
以上の比速度100~300の子午面形状は、自社製フランシス水車設計ソフトウェアにより生成されたもので、長年の経験の入った設計データベースより造られている為、優秀なフランシス水車を設計するもととなるものです。

横軸カプラン水車の設計を進行中 バルブタイプとなります

横軸バルブタイプ可動翼プロペラ水車(カプラン水車)の設計を進行中ですので、御紹介します。

横軸カプラン水車の設計を進行中 バルブタイプとなります1

ドラフトチューブ方向から見たものです。

横軸カプラン水車の設計を進行中 バルブタイプとなります2

バルブタイプカプラン水車と言われるゆえんのバルブ形状部を造っているところです。
このタイプのカプラン水車は、全体形状が潜水艦的な形状をしています。

このタイプの実験用水車、以前に色々と試作したことが思い出されます。
私としては、水車軸動力をべベルギアで直角方向に出すタイプが構造も複雑で好きだったのですが、価格とメンテナンスを考えてベルト伝導方式が主流となったのは少し残念です。

最近では、固定ランナベーン+固定ガイドベーンのプロペラ水車をひとつの発電所に多数設置して台数制御を行い、年間の発電量の最大化を行うというのがはやりのようです。

この多数水力発電機設置方式は、水車本体の量産が出来ますので、単体価格を安くすることで発電所設置金額を減じる良い方法だと思っています。

粒子シミュレーション

流れ落ちる液体などによる作用を見る為の粒子シミュレーションを以前から計画していましたが、本日優秀なアシスタントの成果により開始することが出来ました。

粒子シミュレーション1

最初の粒子シミュレーション実行時のスクリーンショットです。

粒子シミュレーション2

このシミュレーションでは、画面中央のゆっくり回転している羽根4枚が付いた水車に上からの少し大きめの粒子群が降り注ぎ、羽根部に接触して流れ落ちたり、羽根部に溜まったり、羽根に跳ね飛ばされたりする様子を見ることが出来ます。

次は、この羽根形状をより複雑に変更するとともに、粒子をより小さくして数を増やし、液体流れの詳細が分かるように進化してまいります。

性能流体解析用プロペラ水車モデルの作成

性能流体解析用プロペラ水車モデルの作成1

比速度500ほどのプロペラ水車性能を流体解析により求める為に、下図のような性能解析用モデルを作成しました。

性能流体解析用プロペラ水車モデルの作成2

このプロペラ水車モデルは、可変ガイドベーン方式を採用したので、図のように多数のガイドベーン(案内羽根)がランナの上流側に位置しています。

性能流体解析用プロペラ水車モデルの作成3

ランナ羽根は5枚ブレードを持つが、少し羽根の弦長が短かったようにも思うので、後で修正が必要かもしれません。