水力タービン

小型水力発電で使用されるタービン クロスフロー型

少し前に、フランシス型水力タービンでの価格を下げる為の構造上の工夫点を、以前から研究して実施していたことをお話ししました。

過去のオイルショック時での自然エネルギー利用の見直し機運が高まった時に、フランシス型に比べてタービン価格を画期的に安く出来るとして脚光を浴びたのが、今日説明しますクロスフロー型水力タービンでした。

その当時の水力発電コンサルタントに於ける計画時は、クロスフロー型がやたらと指定されていたものです。

小型水力発電で使用されるタービン クロスフロー型1

クロスフロー型水力タービンは、左図に見るようにかなりシンプルな構造をしています。水入口のでかい1枚の可変ガイドベーンとその後流にある短冊状の羽根がシロッコファンのように配置されたこれまたシンプルなランナです。 

小型水力発電で使用されるタービン クロスフロー型2

ランナ(動翼)に流入した水は、羽根内を2回横切り、これがクロスフロー(横断流)と呼ばれる所以です。この2回横切ることから、落差をうまく回転力に処理することが出来、広い運転範囲を獲得しています。 

かなり利点が有る水力タービンですが、現在はあまり主流ではありません。ごく一部のマイクロ水力発電装置に採用されているくらいです。その理由は、たぶん回転数が意外と遅いことだと推測しています。小型水力でのほとんどのクロスフロー水車が増速機を採用していましたので、そこらへんも問題だったのかもしれません。

マイクロ水力発電に適した水力タービン設置方式

国内のマイクロ水力候補地点を考えた場合、日本は山地が多いので山の中の落差の大きい場所を想定しがちですが、実は低地の河川や水路で落差1~3mぐらいまでが最も地点としては多いのです。

そのような地点は、流量が多く落差が小さいという特徴を持つ為、一般的なケーシングを持つ水車構造を採用すると全体が大きくなり、非常に高価ともなります。

それゆえ、今ではあまり見られませんが、私の祖父が水力タービンを製作していた時代は、開放型水力発電設備が最も多かったのです。

マイクロ水力発電に適した水力タービン設置方式1

開放型水力発電装置とは、左図に見るように開放水路などの落差の生じる地点に、水の溜まる水槽を作り、下流とその溜まりの水面との落差を利用してタービンを回す方式です。それにより、水槽自体が水力タービンのケーシングの役目となり、設備費を抑えることが出来ます。 

マイクロ水力発電に適した水力タービン設置方式2

上流水路から水車に水が作用しながら下流の水路まで水が通る様子は左図のようになります。水槽の底は2重底となっていて、ここが大事な点でもあります。水槽の底の水車は、フランシス式でも、この事例のようにプロペラ式でもOKです。水を抜いてやればメンテナンスも行いやすい方式となります。 

高圧液体エネルギー回収用タービンの設計例紹介

プラントや工場などの色々な装置では、色々な目的の為にポンプなどで造られた高圧の液体を使用していますが、それの圧力が残っても有効に利用されずに減圧弁などで空気中に音や振動のエネルギーとして元々の電力エネルギーを捨てている場合がまだまだ多くあります。

また、現在世界的に不足がちな水資源を補うための装置である「逆浸透膜による造水装置」でも多大な電力で高圧ポンプを回して、膜に高圧をかけて海水からの水生成をしていますが、その際に元々の海水の60%ほどが濃い塩分の海水となって高圧力を持ったまま捨てられています。

高圧液体エネルギー回収用タービンの設計例紹介1高圧液体エネルギー回収用タービンの設計例紹介2高圧液体エネルギー回収用タービンの設計例紹介3

そのような高圧を持ったままエネルギーを捨てている場所で、その液体エネルギーを回収するのが、左図の高圧力液体タービンです。

これは、液体の圧力が数十Kg/cm2あっても、その圧力エネルギーを速度エネルギーに変換する羽根群によって動力を高効率に回収しながら運転されます。

高圧タービンのため、回転数もかなり高速となりますが、もともとの高圧ポンプの駆動を助けてあげたり、プラント内のブロワ・コンプレッサーなどのその他の機器を駆動したり、また発電機を付けて電気エネルギーとして動力回収を行ったりとその利用範囲は非常にひろいものとなります。

潮流による水中タービン発電機本体部の構想設計3次元化

潮流による水中タービン発電機50KWの構想計画図を前回お見せしていましたので、今日は水中タービン本体部を3次元化してみました。

これが50KW潮流水中タービン発電機の3次元化図となります。

この設計の特徴は、ブレードの形状とブレードを覆う環状のケーシングが付いているところと言えます。

ブレードは、風車の羽根のように細く長いのでボスからチップまで効率良く流水エネルギーを回収出来る翼型分布とする必要があります。

また、環状のケーシングは、タービンブレードを出た流れが速度を落としながら広がることで水力タービンドラフトチューブと同じような役目をしてタービン効率を上げることが出来ます。

次は、この水中タービンをセンターポールの両方に配置した、海底発電所の3次元化を行って御見せしたいと思います。

水中軸流タービン型水力発電機のランナ(羽根)部分を設計しました

潮流による水中タービン発電機本体部の構想設計3次元化1

計画を開始していた「水中軸流タービン型水力発電機」のランナ(回転する羽根部分)を設計しました。

回転する羽根は水力タービンではランナと呼ばれ、この軸流型水力タービンの場合は羽根一枚が扇子のような扇型をした薄い断面翼型を積層した形状となります。

よって見た目には船のプロペラの似ているため、プロペラタービンとも呼ばれます。

潮流による水中タービン発電機本体部の構想設計3次元化2

このようなプロペラ型の羽根形状を設計する場合に高効率とする為のポイントとして私が気をつけるのは、まず羽根翼断面での転向角、そしてピッチと羽根弦長の割合を重要と見ています。

潮流による水中タービン発電機本体部の構想設計3次元化3潮流による水中タービン発電機本体部の構想設計3次元化4

羽根部分が出来たので、羽根回転数を増速する変速機部と発電機部分の外形を付け加えたのが上図です。
これの次は、ランナ(羽根)に最適に旋回流が流入するようにガイドベーンの設計を行ないます。
ガイドベーン設計も旋回エネルギーと流入角度を決めるので非常に重要な設計です。

水力発電タービン用ドラフトチューブの設計

水力発電において水力タービンにかかる圧力水の落差を極限まで有効に回収するための「ドラフトチューブ」を設計した例が下図です。

水力発電タービン用ドラフトチューブの設計1

ドラフトチューブ=吸出し管と呼ばれるものです。

これは水力タービンの羽根出口の下流に取り付けられ、水力タービン羽根出口から流速を持って排出される水の流速を下げながら下部落差を利用して大気圧より低い状態を管内に発生してタービンランナ前後にかかる圧力差を増加させ有効に全落差を動力として吸収します。

水力発電タービン用ドラフトチューブの設計2

設計として難しいところは、損失少なく流速を減ずるための管路の広がり具合をどのように決めていくかというところです。
それと左図にあるように、タービン羽根出口では円形の流路をドラフトチューブ最終出口では普通四角断面としますので、その断面変化を立体的に決めていくのが手間がかかります。
円断面から四角断面に変わる部分は、図のようにエビ継製缶構造と一般的になりますので、手間のかかる製作品です。

液体用遠心型タービンの設計例をひとつ紹介します

遠心型タービンとして高圧の液体エネルギーを回転動力へと変換する設計事例をひとつご紹介します。

液体用遠心型タービンの設計例1

これが遠心型タービンの動翼羽根周りの構造を示しています。
中央の円筒状の中に多くの放射状の曲面を持った羽根があるのが、タービンのランナとなります。
液体タービンでは、回転動翼のことをランナと呼んだりします。

そしてそのランナの廻りにある魚型をした円周状配置されているのが、ランナへの旋回流を作るガイドベーン(案内羽根)と呼ばれるものです。

液体用遠心型タービンの設計例2

ガイドベーンを軸受け側から斜めに見たものですが、実はこのガイドベーン群は流量を調整出来るように角度可変式となっています。
図に見えているリンク機構がサーボモーターの力でいっせいに動き、ガイドベーンの中心付近にあるガイドベーン軸を回転させて角度を可変させます。
このような構造にすると複雑な機構により値段は高くなりますが、その利点も大きいので自分としては積極的に採用する方です。
次は、気体のエンタルピーを回転動力へと変換する遠心型タービンの設計例を説明してみます。

水中軸流タービン発電機の設計仕様は次のようになっています

液体用遠心型タービンの設計例1

まだガイドベーンが出来ていませんが、設計中の下記仕様の水中軸流タービン発電機です。

設計落差:5.4m  設計流量:1.223㎥/秒  ランナ定格回転数:668rpm
発電出力:50KW  タービン効率:85%  比速度:600  遊星増速機増速比:2.7
ランナブレード可変ピッチ方式 メカニカルシール軸封方式 浸水検知センサー内蔵
水中発電機:4極 1800rpm 誘導型発電機 60Hz
運転方式:系統連係方式

水中軸流タービン発電機3次元計画図にガイドベーンを追加

ランナまわりの筒状ケーシングにランナ用旋回流を造るガイドベーン(案内羽根)を追加します。

水中軸流タービン発電機3次元計画図1

今回のガイドベーン(案内羽根)は、整流効果とガイドベーン出口での角度偏差を少なくする為に、広い翼幅と16枚の多い羽根枚数を採用しています。

水中軸流タービン発電機3次元計画図2

今回の案内羽根は、円筒形ケーシングと一体になった鋳造製の固定角度ガイドベーンとなっています。
もし角度可変リンク機構を持つガイドベーンとするならば、もう少し幅の狭いより台形の羽根形状となります。
次は、もう少しランナ可変ガイドベーン機構が入るスピナー部形状を見直してみようと思います。 それらが終われば、いよいよ性能解析計算に入る予定です。

マイクロ水力発電用クロスフロー水車の設計例 流れ解析用形状

以前より設計を行っていた「水中軸流タービン発電機」の流路形状を最終的な最適形状に少し修正を行い、性能を解析する準備が整いました。

マイクロ水力発電用クロスフロー水車の設計例 流れ解析用形状1マイクロ水力発電用クロスフロー水車の設計例 流れ解析用形状2マイクロ水力発電用クロスフロー水車の設計例 流れ解析用形状3

今回の流路修正の主な点は、

ガイドベーン形状を軸方向から斜め方向に流れを導きやすくする形状に変更。
ランナベーン(動翼羽根)可変ピッチ機構を入りやすくするためにスピナー形状をより太く・長くに変更。
動翼後の吸い出し管への導入部の拡大角度を少し大きくして、圧力回復程度を増やした。

このような内容となっています。