風力タービン設計

風力タービン発電機の2次元組図

ガス系軸流タービン発電機の2次元組図をご紹介しましたので、その流れでかなり古いものですが、風力タービン発電機の組図を載せてみます。

風力タービン発電機の2次元組図

なんだかあまりハッキリしてない図で申し訳も有りませんが、左図は発電出力1000KWの風力発電機を計画して3次元設計した後に2次元図化したものです。

この風力発電機は、ブレードピッチ可変機能、ブレード回転防止ディスクブレーキ、ヨー調整機能、大型軸受け、遊星歯車式2段増速機、ピッチ可変制御用スリップリング機構、誘導発電機、発電機冷却用ファン部、増速機冷却部、展開式ナセルなど、一応全ての大型風力発電機要素を持ったものとなります。

このような風力発電機の設計を今後多く増やすことが出来れば、自然エネルギー利用への貢献が水力、風力、排熱など多彩となり、自分としても益々やりがいが出ると思っています。

マイクロ風車の設計 出力1KW

海外では新エネルギーの重要な装置である風力発電機ですが、今日は発電出力1KWのマイクロ風車を自社製風車設計用ソフトを使用して設計してみました。

マイクロ風車の設計 出力1KW1

左図が当社製風車設計ソフトウェアであり、これは出力1KWで、定格風速12m/秒、風車直径2.95m、定格回転数490rpmという仕様にて設計された風車羽根とナセル部形状を3次元形状データを設計ソフトウェアが生成して示しているものです。

風車タイプはプロペラ型の3枚翼であり、翼型はNACA系を使用しています。

マイクロ風車の設計 出力1KW2

そしてこれは、風車設計ソフトウェアが作り出したボスからチップにかけての翼断面形状を基に、ソリッドワークスのロフト機能を使用して翼をソリッドにて生成しているところです。

翼根元部はボスに取り付けるためほとんど円形ですが、その部分から翼型につながる部分で急激な形状変化が起こるため、少し翼形状が薄い部分が出来ています。

マイクロ風車の設計 出力1KW3

このようにしてソリッドワークスを使用して作った風車が左図です。
ナセルの形状を少し変更するとともに、タワーを追加しています。
ここまで風車を作成しましたので、次はこれを使い風車の流れ解析を行う予定です。

風力発電機(風車)の流体解析

先日行っていましたマイクロ風車の設計と流れ解析は大まかには説明しましたので、今日はもう少し詳しく風車周りの流れ状態を流体解析した結果を載せてみたいと思います。

風力発電機(風車)の流体解析1

これが風車廻り流体解析の様子です。
風上から流跡線を流し、翼上では相対速度をベクトルで表しています。
流跡線の色変化は、速度の変化を表わしています。

風力発電機(風車)の流体解析2風力発電機(風車)の流体解析3風力発電機(風車)の流体解析4

流れの状態を見ると、翼端での渦発生による流れの乱れがかなり良く分ります。
翼端以外の翼断面上での流れは、速度ベクトルを見る限り悪くない状態となっているようです。
このような翼端での乱れによる失速をどのように少なくするか検討していってみます。

風力発電機構造設計事例の開始 1500KW風車を想定

風力発電機の構造設計事例をそろそろ開始してみようと思い、発電出力1500KWの大型風車のケースで設計してみます。
構想設計に近い事例設計となるので、少し簡略化したり厳密ではない部分もありますが、全体を通しての作業をひととおり行ってみます。

風力発電機構造設計事例の開始 1500KW風車を想定1

まず自家製の風力タービン設計用ソフトウェアを使って、設計仕様を計算してみています。

仮定として、発電出力1500KW, 設計風速14m/秒、 横軸プロペラ型3枚羽根風車として設計条件を入力して設計計算開始しました。

計算結果として、チップ周速比6.3、 空気密度1.29Kg/m3、 増速機使用、 パワー係数0.43、 トルク係数0.45、 羽根直径56.63m、 回転数29.75rpm、 トルク615038Nm、 軸出力1916Kw、 翼型FX系列(どちらかというと薄翼)

風力発電機構造設計事例の開始 1500KW風車を想定3

風力タービン設計ソフトが出力した翼ボスからチップまでの20断面の翼型は3次元DXFファイルで出来ているので、それをSolidWorks2008に読み込んだのが左図となります。
本来は、翼型が存在しなければならない面は円筒面となりますので、翼型を平面に配置するのは微妙な翼型のずれが生じますが、今回は構造設計のための翼部仕様決定なので良しとしたいと思います。
これによりSolidWorksで風力タービンブレードが完成すると、3次元流体解析を行うことで、流体力が各種運転状況に於いて判明し、更に自重などの計算から、風車構造部にかかる色々な荷重の計算を開始出来ます。

風力発電機1500KW構造設計 ブレード翼型を厚翼タイプに変更

風力発電機構造設計1500KW事例計算において、前回は最初として3枚ブレードの設計を行ってみました。

風力発電機1500KW構造設計1

前回設計のブレードは、どちらかと言えば薄翼により構成されたブレード全体形状となっていました。

それで今回は、性能の改善と強度のアップを考えて各翼型断面形状をタービン専用の厚翼プロファイルに変更した設計を行ってみました。

風力発電機1500KW構造設計2

ブレードボス根本断面から始まり、段々と厚翼翼型をスパン方向の断面に与えながら翼形状を生成していく様子を左図は表しています。

ブレード根元はスピナーに取り付けられ可変ピッチを可能とするため、翼断面形状はただの円となります。

その円形状断面から始まり、ブレードの翼断面形状のうち最も翼弦長が長い断面までのブレード形状を、左図のようにソリッドワークスのロフト機能を利用して生成しています。
ブレード根元形状からこの最大弦長翼型形状までの翼型は、本当にずんぐりとした形状とならざるをえず、いかにこの部分でもタービンとしての流れ転向効果を有効に働かせるかは翼形状選定の非常に重要な部分です。

風力発電機1500KW構造設計3

そして、その最大翼弦長翼型断面をすぎれば、それからの翼型選定と配置はスムーズに行い得る部分となります。

今日の作業としては、左図にあるように9段目までの翼型を配置してブレードを作ったところで、又明日続きを行うようにします。


風力発電機1500KW構造設計 ブレードを厚翼型に変更 その3

風力発電機1500KW構造設計 ブレードを厚翼型に変更 その3

これは、ボスへの取り付け円形断面からチップ側スパン方向に数えて17番目までのタービン専用翼型による断面翼型生成を行ったところです。

今回もやはり、翼型入口縁を結んだブレード前縁ラインがところどころ波打ったつながりとなっています。

そしてこれは、翼型断面18番目から最終チップ部翼型までを生成したところです。

風力発電機1500KW構造設計 ブレードを厚翼型に変更 その3

この断面18番目から20番目までの翼型は、だんだんと弦長が少なくなるように翼形状を変更していっています。

その理由は、ブレードチップ部では、圧力面から負圧面への風の回り込みが発生することで翼端渦が発生して回転抵抗となり、ブレード効率を低下させてしまうので、それを防ぐ為に日本刀の先端のような尖った形にして風の回り込みをなくすようにもっていっています。

風力発電機1500KW構造設計 ブレードを厚翼型に変更 その3

そのようにして一応ブレード全体形状がソリッドとして生成されたのが左図となります。

図を見て頂くとブレード前縁がうねり、まるで深海魚の「竜宮の使い」の腹部ヒレのようになってしまっているので、明日は各断面形状を微妙に修正することで、滑らかなブレード全体形状にします。

風力発電機1500KW構造設計 厚翼ブレードの滑らかさ修正

出来あがっていた1500KW発電出力の風力タービンブレード形状を、波打ちなく滑らかにする修正作業を行いました。

風力発電機1500KW構造設計 厚翼ブレードの滑らかさ修正1

これは20断面により構成されるブレード形状の翼断面形状を細かく修正して滑らかさをもたせるとともに、各断面形状をつなぐ入口縁点と出口縁点を3次元スプライン線で結び、形状波打ちのないように確認しながらロフトを構成する断面形状とそれを結ぶパススプライン形状により、いよいよ羽根全体形状を生成しようとしているところです。

風力発電機1500KW構造設計 厚翼ブレードの滑らかさ修正2

そうやって最終のほとんど翼型断面がないチップ部断面までロフトによる羽根ブレード形状が出来ようとしているのが本図です。

なかなか滑らかな均整のとれた良いブレード形状になれたと、自画自賛ながら思います。

風力発電機1500KW構造設計 厚翼ブレードの滑らかさ修正3

そして最後は、それをリアルレンダリングで左図のように先ほどの図とは反対側から見てますが、なかなかカッコの良い羽根形状になったと思います。

昔からの経験から羽根の形状が美しいと性能も良い事例が多いので、多分それは均整のとれた羽根で形状に無理がないから美しく性能が良くなったのではと推測しています。

風力発電機1500KW構造設計 ブレード部組立 流体解析用

風力発電機1500KW構造設計を進めていますが、今日は3枚翼ブレード部を風車流れ解析用に作成してみました。

風力発電機1500KW構造設計 ブレード部組立 流体解析用1

完成した厚翼型風力タービン専用翼型で構成されている単体ブレードを使って、左図のように中心にスピナーを作り、3枚翼ブレード組状態の完成となります。

風力発電機1500KW構造設計 ブレード部組立 流体解析用2

ブレード組状態は、風車流れ解析を行うために組み上げているものなので、スピナー部には詳細な構造はまだ入っていません。
ただ、ブレード単体とスピナーは別部品なので、翼ピッチを変えての翼周り流れ解析は出来るようにしています。

風力発電機1500KW構造設計 ブレード部組立 流体解析用3

最後に、スピナー下流にナセル構造部を簡単な形状として追加しています。

更に、風力タービン全体を支えるタワーも左図のように付け加えました。

この解析用モデルを使って明日からは、風速、回転数、翼ピッチなどのパラメーターを変更して3次元風車翼周り流れ解析を行い、風車性能、翼などにかかる応力などを求めて構造設計のベースデータとします。