蒸気タービン設計

縦軸特殊ガス蒸気タービン発電機 速度複式2段タイプ

排熱発電用として、立軸タイプの特殊ガス蒸気タービン発電機を以前より設計していましたが、2種類の設計案を組図化してあり、低速回転タイプの完成図が下図となります。

縦軸特殊ガス蒸気タービン発電機1

なかなかどっしりした外観形状となり、多分運転時の安定感は抜群に良くなると推測出来ます。

ただ、内部のタービン羽根部は直径を大きくしていることと、速度複式の更に2段タイプとして回転数を3600rpmに抑えています。

この構造により、製作費が予算を大幅にオーバーしそうなことが加工屋さんとの打ち合わせで分かり、ここまで設計を進めましたが製作は難しいこととなりそうです。

それでもう一つの計画案を採用しなければならなくなりそうですが、それについてはまた明日にでも御紹介します。

日々色々な設計案を考えて、それを3次元の最終計画まで持っていくことも多いですが、実際に作られない設計案も割とあり、その時間はもったいないようにあるけれども今後の弊社での技術発展の為には必要な無駄なのかもしれません。

立軸特殊ガス蒸気タービンの計画 ケース2 ベルトで減速

今回の設計ケースはタービンの回転数をベルトにて減速して発電機を回すというものです。

ベルト伝達? と不思議に思われる方もいらっしゃるとは思いますが、現在は動力伝導ベルトも進化した結果、周速度60m/秒でも大丈夫なものが出ていますので、タービンの高速回転を充分にベルト減速で低回転化出来るようになりました。

以上のようなベルト減速を行う方向性でのタービン発電機の設計結果が下図となります。

立軸特殊ガス蒸気タービンの計画1

タービン本体は、高速回転を許したので、随分小型に設計が可能でした。
そして、タービン段数も直結型の半分で済み、羽根直径も半分ほどにすることが出来ています。

ただ全体の出来上がり3次元図を見ると、ベルト伝導のプーリー接触角を大きく取るようにしている為、少々タービン本体部と発電機部が離れてしまい少々のアンバランスを感じています。

それでプリー間の距離を減らすように設計変更をしてみたいと思っています。

新型蒸気タービンの設計 ほぼ最終状態 速度複式タイプ

新エネルギー関係の新型蒸気タービンに関する設計が、ほぼ最終状態に近づきました。
このタービンの用途は、廃熱エネルギー回収発電となります。

新型蒸気タービンの設計1

タービン翼の型式は、いつものようにタービン本体の小型化を目指してタービン羽根の直径を小さくするために速度複式タービンを選定しています。

新型蒸気タービンの設計2

速度複式タービンでは、ノズルからの噴射スピードに対して羽根周速度の割合は24%ぐらいで最高効率となるので、回転数を大幅に下げられ小型化には有利です。

他の型式、例えば反動式であればノズルからの噴射速度の70%ぐらいで回すのが効率が良いので、同じ熱落差に対してはタービン羽根回転数が大きくなってしまいます。

速度複式以外に回転数を落とす方式としては、圧力複式という熱落差を何段かに分けて落とすやり方で羽根の小型化を行うことも可能ですが、思ったほどには回転数を下げ得ず、段数を多くする必要性が出て、かな~り高価な作りとなります。

新型蒸気タービンの設計 最終全体3次元組図

新型蒸気タービンの設計1

同じタービンという機械でも、水力発電用タービンと蒸気発電用タービンでは流体に対する羽根理論は同じでも、それが得意とする回転数の大きさの違いで随分と異なる外観や構造となっています。

水力タービンと蒸気タービンが異なる最大の理由は、蒸気タービンは高速回転が得意であることが、蒸気タービンの構造を複雑とし金額も高価となっている理由です。

この図の例では、立型の蒸気タービンの出力軸にベルト減速機が付けられており、これにより一般的な3600rpm発電機を使える工夫となっています。
元々ベルトは伝達効率が高く、音も静かであり、最近は周速60m/秒まで大丈夫な製品が出ています。

それで最近の弊社における小型タービン設計では、水力・蒸気・風力の各タービンで、ベルト減速・増速は割と良く使っています。

ただ発電機直結型のほうがメンテ少なく、シンプルな構造となるので、羽根回転数さえ合えば直結が基本です。

高速回転を制限する要素、それは実は減速機の問題よりも、軸シールの問題と軸受けの問題が大きなものとなっています。金額をかけれれば解決出来る要素となりますが、タービン自体が適切な金額とならなければ需要に答えられませんので、自ずと選定可能な範囲が決まってきます。

ラジアルタービン(遠心型タービン)の設計例

ガス動力回収タービン・廃熱発電タービン・小型蒸気タービンのために、ラジアル型タービンの設計例を増やしていこうと思います。

なぜラジアル型(遠心型)タービンの設計例を増やすのか、その理由はラジアルタービンの5軸加工機を用いた一体削り出し加工による製作費用が以前よりも圧倒的に安くなり、しかも高速型発電機の調達を行い安くなったので、高速対応であるラジアルタービンを有効に発電用に使えるようになったからです。

ラジアル型タービンの軸流型タービンに比べて有利な点は、ガス入口出口の半径方向による周速度の差を使って圧力を回転力へと変換可能なため、ひとつの羽根での入口出口減圧差を大きく取れることです。

ただ減圧差を大きくとれるので設計回転数も比較的高速となり、耐遠心力設計や軸受の設計は難しくなります。

ラジアルタービン(遠心型タービン)の設計例1

蒸気利用高速型ラジアルタービンとなります。

回転数は数万回転と高速となり、蒸気量の調整を行える可変ガイドベーンがリンク機構により可動するように設計していますので、ラジアルタービンの設計例としては最も複雑な構造と言ってよいでしょう。

このラジアルタービンの羽根は比較的中比速度となり、先日ご紹介したターボファンのガスタービン部は高比速度のラジアルタービンとなっています。

よってより低比速度のラジアルタービンの設計例を行ったり、使用用途ごとの標準的なタービン構造の事例を載せたりしていきたいと思います。

また、それらタービン羽根の耐遠心力解析結果や耐危険速度設計例なども載せてまいります。

詳細構造設計事例の紹介 多段軸流蒸気タービンの場合

弊社が得意とするターボ機械の詳細構造設計事例を、多段軸流蒸気タービンの場合にて御紹介します。

多段軸流蒸気タービン詳細構造設計3次元図1

多段軸流蒸気タービン詳細構造設計3次元図 その1

多段軸流蒸気タービン詳細構造設計3次元図 2

多段軸流蒸気タービン詳細構造設計3次元図 その2

多段軸流蒸気タービン詳細構造設計3次元図 3

多段軸流蒸気タービン詳細構造設計3次元図 その3

多段軸流蒸気タービン詳細構造設計3次元図 4

多段軸流蒸気タービン詳細構造設計3次元図 その4

多段軸流蒸気タービン詳細構造設計3次元図5

多段軸流蒸気タービン詳細構造設計3次元図 その5

以上のように、6段(動翼+静翼の組合せで1段となります)の軸流タービン全体構造設計状態を見て頂きました。

これは小型ですが、その複雑さで大変高価になった設計でしたので、複雑構造設計例としては良いのですが、機械の価格的な評価としては高価過ぎたものでした。

常になるべく作り易く加工費も安くなるターボ機械の計画を行うことが信条ではありますが、たまに大変複雑なメカメカしいものも設計したくなる典型的な例となっています。

それではこの3次元設計に基づいて実機を製作したかと言えば、予算をかなりオーバーする加工費見積りとなったので、この計画のタービンは実際には作られていません。

このように、完全な3次元設計まで行ってそれが製作予算と合わない計画の場合は、いつも再計画を行っていますので、ひとつの計画だけで終わる場合ばかりではありません。

地熱発電用縦軸蒸気タービン設計途中

温泉熱発電のようなバイナリー型発電ではなく、地熱蒸気をそのまま利用する地熱発電用のタービンとして、図のような縦軸蒸気タービンを設計中です。

方式としては珍しい縦軸タービンなのですが、かなり小型のものです。
また多段化にて回転数は抑え気味であり、2極または4極の発電機を使えます。
タービンからの出口蒸気は、下方に配置される復水器により冷やされてお湯に戻りますが、その場合に設置面積が縦軸の場合は少なくなります。
多段化により小さいタービンとなり、大きさ的には2m角ぐらいの全体大きさで、発電出力としては1000KWぐらいまでです。
よって地熱の中でも民間の地熱発電所に使われるぐらいの規模となりましょう。
思い切った多段化の意味は、とにかくタービン本体を小さくすることと、回転数を通常の2極発電機回転数に抑える為といって良いでしょう。

立軸特殊ガス蒸気タービンの計画1