ポンプ設計

流体エネルギー回収タービン付き特殊ポンプ設計事例

ターボ機械に関する省エネの範疇において、無駄に捨てられている流体の圧力エネルギーをタービンで回収して、その動力で直接ポンプなどを駆動する動力回収型システムが有効に使われ始めています。

流体エネルギー回収タービン付き特殊ポンプ設計事例1

例えば左図のようなタービン駆動型ポンプがそれです。

流体エネルギー回収タービン付き特殊ポンプ設計事例2

これについてもう少し詳しく説明しますと、ポンプは気体と液体の2層流を吸うことの出来る高速型軸流多段特殊タイプとなります。

流体エネルギー回収タービン付き特殊ポンプ設計事例3

この特殊タイプ軸流ポンプは、入口に斜流インデューサーを持ち、更に多層流をスムーズに流せるような弦長の長い軸流羽根で昇圧して、最後には遠心羽根でより昇圧するという少々特殊なポンプとなっています。

流体エネルギー回収タービン付き特殊ポンプ設計事例4

そして、このポンプは液化ガスなどを昇圧するために使われますが、液化ガス関係では逆に気体の圧力を下げなければならない場合もあるため、それを減圧タービンで動力に換え、その力でポンプを駆動すれば電動モーター不要の動力回収型省エネポンプとなるわけです。

揚程2400m高圧多段バレル形ポンプの計画図

揚程2400m高圧多段バレル形ポンプ1

これが高圧バレル形ディフューザーポンプの3次元計画をカットで内部を見れるようにしたものです。
このポンプの揚程は2400mという高揚程であり、それは4段の高速回転遠心羽根より発生されます。

揚程2400m高圧多段バレル形ポンプ2

これがポンプの外観です。
外観としては、バレル(たる)型として高圧に耐えるケーシングとしているためシンプルな見栄えとなっています。
高速で回す設計となっているため、高圧力を発生する能力を持つ割には小型の機械となっています。

揚程2400m高圧多段バレル形ポンプ3

遠心羽根により高圧を発生するための工夫として、ディフューザーという静翼がポンプインペラ周りに配置されており、インペラが発生した高速流を有効に圧力に変換する働きをすることで、小型でも高圧発生が可能となっています。

マイクロ液体ロケット燃料用ターボポンプ駆動タービンの計画設計

かなり小型つまりマイクロな液体ロケット用として、燃料を高圧にして燃焼器に圧送するための高速高圧ポンプを駆動するためのタービン部について計画設計を行っています。

マイクロ液体ロケット燃料用ターボポンプ駆動タービン1

マイクロ液体ロケットが使われるとすれば、左図のように以前少し計画してみた小型のジェットロケットハイブリッドエンジンで超高空域まで行ける機体に使われるものであったり、また米国で計画されているXレーサーロケットに使われるものなどが考えられます。

マイクロ液体ロケット燃料用ターボポンプ駆動タービン2

高圧タンクに燃料を入れるよりも、ターボポンプで燃料を高圧にして燃焼器に供給する方が機体の自由度が高くなるのではと考えています。

それには非常に小型で性能が良く信頼性の高いタービン駆動ターボポンプが必要となりますので、そのプロトタイプになるような計画を進めています。

マイクロ液体ロケット燃料用ターボポンプ駆動タービン3

現在は、左図のようにターボポンプを駆動する原動機である単段衝動タービン部を計画開始しています。

タービンの回転数は、5万回転/分以上となり、その強大な遠心力に耐え、高効率を発揮するように計画していかなければなりません。

マイクロ液体ロケット燃料用ターボポンプ駆動タービン4

このタービンは軸受けが両持ちのタイプであり、タービンの左右に2種類の燃料加圧用高速ターボポンプが配置されることとなります。
そしてタービンを駆動するガスは、燃料系統とは別のガス発生器にて生成されて羽根を駆動します。

また、高効率のタービンとするためにはガス噴射ノズルの設計が非常に大事であり、色々と検討を加えた後にこの計画図に配置する予定です。
この計画が進みましたら、また御紹介する予定です。

省エネ用タービン駆動高圧ポンプの全体設計例

工場・プラント内などで無駄に捨てられている蒸気エネルギーなどを有効に利用することで、動力回収・省エネを実現するタービン駆動高圧ポンプの設計例を載せてみます。

省エネ用タービン駆動高圧ポンプ1

省エネ用タービン駆動ポンプ全体は、左図のようになります。
図のなかの左側がバレル式ディフューザー多段高圧遠心ポンプとなり、右側が特殊なポンプ駆動用タービンとなります。

省エネ用タービン駆動高圧ポンプ2

高圧ポンプには、冷却用配管やら色々な用途の配管が周りに張り巡らされています。
ポンプの大きさに比較して図中右側のタービンは大きくなっています。それはポンプは高速型なのですが、タービンはもっと高速型なので、回転数を合わせる為にはタービンの羽根径を増やして更に多段タービンとしなければならないからです。

小型液体ロケット用ターボポンプ駆動用衝動タービンのノズル設計

小型液体ロケットに使われることを想定したターボポンプの、ポンプ駆動用衝動単段タービンの設計を行いました。

小型液体ロケット用ターボポンプ駆動用衝動タービン1

これが先日、動翼とケーシングまでを設計したポンプ駆動用タービン部のカット図です。
このタービンの軸両端にそれぞれ2種のターボポンプが取り付けられ液体燃料を高圧まで昇圧します。
タービンは、ロケット燃料系統とは別の燃料を使い、触媒により発生させられた高圧蒸気で駆動されます。

小型液体ロケット用ターボポンプ駆動用衝動タービン2

これが約5万回転で回る衝動タービンの動翼部分です。
5万回転では強大な遠心力が羽根とディスク部にかかりますが、羽根とディスク一体型のブリスクタイプなどにすることで強度問題を解決します。
また、これでは分かりやすいように省略していますが、翼を覆うシュラウドバンドをチップ側に取り付けています。

小型液体ロケット用ターボポンプ駆動用衝動タービン3

先日の設計は、動翼とケーシング部、そしてシール部分などのみを設計しました。
それでまだ、動翼に高速蒸気を吹き付けるノズルは左図のように出来ていません。
今日は、ノズルを設計します。

小型液体ロケット用ターボポンプ駆動用衝動タービン4

これがノズルを組図の中でスケッチを行い設計しているところです。
このようなノズルは空間中に任意の角度、位置で配置されなければなりません。
それには、この3次元CADによるノズル部品作製が非常に便利です。

小型液体ロケット用ターボポンプ駆動用衝動タービン5小型液体ロケット用ターボポンプ駆動用衝動タービン6

そして出来上がったノズルが左図のように配置されました。

このノズルは蒸気出口圧力が臨界圧力よりも低いため、ノズル形状としてはデラバルノズルすなわち末広ノズルとなっています。

このノズル形状が結局、蒸気の圧力エネルギーと熱エネルギーを運動エネルギーに変換するので、その形状設計には非常に気を使います。