ポンプ設計

ロケット用タービンポンプインデューサー設計計算

超小型液体ロケット用タービン駆動高圧遠心ポンプの吸込み側に発生するキャビテーションを防ぐ為の斜流ポンプ型インデューサーが必要という説明を昨日行いましたので、今日はそれの設計計算を行いました。

特に、斜流ポンプとしては翼の弦長が非常に長くないと急な羽根角の変化ではその点にキャビテーションが発生しますので、今回はスクリュウ斜流ポンプの設計技術を使い、大きな巻き角の斜流ポンプを設計することとしました。

ロケット用タービンポンプインデューサー設計計算1

左図がスクリュウ斜流ポンプの設計を行なう為のプログラムで、自分で造りました。

まず最初は、図のようにスクリュウ斜流ポンプの子午面形状を、設計条件であるヘッド、流量、回転数から比速度を計算して自動的に生成します。

ロケット用タービンポンプインデューサー設計計算2

そして次の段階は、左図のように子午面形状を流れる流線を多数、子午面流れ解析により生成します。 同時に、子午面上流線と動翼の形状を回転投影した翼断面形状との交点と翼面上の計算用格子を生成します。これは静翼部も同様に行います。

ロケット用タービンポンプインデューサー設計計算3

更に子午面形状から作り上げた初期の翼三次元翼面形状から、等流量円錐曲面上に存在する部分翼断面形状を生成して、その部分翼断面での円形状配列翼型での羽根と羽根の間の流れを、翼型上に配分した渦点を使い特異点法で翼間の速度分布などを求めます。

そうすると最初に仮定した等流量円錐曲面上の部分翼型が載る子午面流線が適当であったかどうかがわかり、普通は子午面流線のほうを変形させるのですが、このプログラムでは部分翼形状のほうを変形して、初期仮定の流線による子午面方向流れ速度分布に近づけるように収束計算を行わせます。

ロケット用タービンポンプインデューサー設計計算4

それにより、各等流量円錐曲面上の形状は決まっていくのですが、その時に各部分翼断面が勝手に形状を修正されると、結局翼面は凸凹の曲面となり製作不能な形状となってしまうので、ここで部分翼形状をつないでも滑らかな曲面となるような面生成の特殊なアルゴリズムを使い、曲面形状の滑らかな生成を保ちます。

ロケット用タービンポンプインデューサー設計計算5

このような各種条件を組合せながら多数のパラメーターのバランスをうまくとり実際に高効率で製作可能なポンプ羽根を作り上げるのがこのプログラムの最も優秀なところと考えています。

もちろん、過去の設計経験による設計係数値、判断ベース、形状係数値なども設計データベースとして使われていますので、本当に短時間で有効な設計が出来、その結果のポンプも実機での実験で優秀な性能を出しています。

最後に、今回のスクリュウ斜流ポンプを利用する特徴として、羽根巻き角を185度に取りましたので、無理な流れの転向もなく、遠心ポンプキャビテーション発生を抑えるブーストポンプとなると予想します。

ロケットポンプ用斜流インデューサー部設計とタービンポンプ組合せ

超小型液体ロケット用タービンポンプ斜流インデューサーを設計ソフト生成データを基に羽根モデリングを行いました。

ロケットポンプ用斜流インデューサー部設計1

これが斜流インデューサーのインペラとなります。

入口部はほぼ軸流子午面形状で、それから斜流面を形成し、最後に軸流方向に近づくボス形状となりますので、少々複雑な形状をしている高比速度斜流と言ってよいと思います。 

ロケットポンプ用斜流インデューサー部設計2

左図は、インデューサーインペラを入口正面から見たところです。

インペラブレードの入口はチップ側が後退角を持つ丸みのある入口縁形状となっているのが特徴的です。羽根枚数は3枚と少なく、しかし弦長は巻き角185度なので非常に長い羽根です。

ロケットポンプ用斜流インデューサー部設計3

次に、インペラ後流の静翼を生成して、インペラ+静翼の組合せ図が左図です。
静翼の枚数は8枚ですが、少し少ないかもしれません。
やはり、10枚以上にするべきかと思いますが、あまり多くても加工がしにくいので迷います。

ロケットポンプ用斜流インデューサー部設計4

最後は、この斜流インデューサーをロケット用タービンポンプの入口前部に配置してみました。
ちょっと構成がいかつい感じですが、斜流インデューサー部をケーシングで覆うので、また違うイメージとなると思います。

ロケット用ポンプ駆動用タービンを付け加える

ロケット用ポンプ駆動用タービン1

ポンプを駆動するタービンとして、衝動型1段のガス駆動タービンを選定しました。
触媒で発生した高圧蒸気ガスをタービン動翼にノズルから吹き付け回転させます。

ロケット用ポンプ駆動用タービン2

現在はまだタービン動翼だけですので、タービンのケーシングと高速蒸気を噴き出すノズル部を次は設計します。

その後に、軸受け部、シール部の構造を試行錯誤しながら決めていきます。

気液2層流ポンプ計画 子午面形状

これから急速に進むと思われるエネルギー関係開発でも特に環境負荷の少ない天然ガス関係の輸送には欠かせなくなると予想しています気液2層流ポンプの計画を始めてみました。

気液2層流ポンプ計画 子午面形状1

左図が、計画する気液2層流ターボ型ポンプの子午面断面計画図です。

図左側の入口から気体・液体混合流体を吸い込み、先日ロケットポンプで計画していたような高比速度斜流形インデューサーで最初の昇圧を行います。

その後、3段の特殊な2層流用軸流羽根で更に圧力を加え気体に圧力をかけることで液体の割合を増やします。

そして最後に、充分加圧されてキャビテーションを起こしにくくなった液体を遠心型のターボ型ポンプでプロセスが必要とする圧力までヘッドを上げます。

このような機能を持つ気液2層流ポンプ計画をこれまた自主的な研究事項として、これから仕事の合間に進めていきますので、随時報告致します。

気液2層流ポンプ計画 初段インデューサー用静翼

気液2層流ポンプ計画 初段インデューサー用静翼1気液2層流ポンプ計画 初段インデューサー用静翼2

今日は、気液2層流ポンプ設計計画の初段インデューサー用整流翼であるステーべーンを設計しました。

この静翼は、インデューサーインペラを出た後の液体を軸方向に整流する役目を持つと同時に、このステーべーンのボス内部にベアリングを内蔵することとなります。