ポンプ設計

斜流ポンプでの流線展開図作成手作業

斜流ポンプでの流線展開図作成手作業

先日より、久しぶりに斜流ポンプの部分翼型の展開図を手作業で作成する作業を開始しましたが、前回はその子午面形状での流線を決める作業を行っていました。

今回は、次に進み、入口から見た羽根平面形状での各部分断面翼位置の平面的に見た巻き角を決めて、子午面形状で決めた円錐面上での巻き角を計算します。円錐面上での巻き角とは、円錐面を平面に展開した場合に翼型が載っている状態での前縁から後縁までの角度を言います。 

左図では、最終インペラ形状を3DCADで表示させて平面巻き角を見ていますが、普通はまずこの平面形状を2次元計画図などで決めるという順番になります。


斜流ポンプ羽根展開図作成作業 展開円錐面

斜流ポンプ羽根展開図作成作業を進めるなかで、前回は羽根入口から見た平面的羽根形状を求める作業を行いましたが、今回は、子午面形状図で説明した展開する円錐面とはどんなものかを3次元CAD図を使って説明したいと思います。

斜流ポンプ羽根展開図作成作業1

かなり分かりづらいと思いますが、左図が流線がのる各等流量円錐面を羽根3次元図中に重ねて表示してみたものです。各とんがり帽子状の円錐形状が羽根をボスからチップにかけて切断します。その切断した羽根断面が部分翼断面形状となります。 

斜流ポンプ羽根展開図作成作業2

図とは反対側から円錐面と羽根部分翼形状の圧力面線・負圧面線、そして平面状羽根形状を重ねて見た状態図です。このような関係が頭の中でとらえられるようになると3次元形状を持つ羽根設計のやり方を理解出来ます。

斜流ポンプから軸流ポンプへ 子午面形状の変化

以前、海外の船用ジェットポンプの資料を集めて、それらを体系的に調査したことがありました。

斜流ポンプから軸流ポンプ1

その時に、海外ジェットポンプ製品の一般的な構造と内部流体的構造を把握する為に、左図のようなジェットポンプ本体を設計して、研究してみました。このポンプは、斜流ポンプの一種であり、その中でも斜流ポンプの限界比速度にちかい高比速度斜流ポンプとして設計されていることが分かりました。

斜流ポンプから軸流ポンプ2

そしてジェットポンプで比速度の大きいものは、ほとんど軸流ポンプ形状に近づいていることになり、左図のように比速度に対しての子午面形状の変化データベースを作成して、設計の自動化に役立てました。この検討は、通常の斜流ポンプの高比速度製品の開発にも利用できる資料となっています。今後洪水対策用の斜流ポンプには本技術が役に立つかもしれません。

斜流ポンプ羽根展開図作成作業 展開円錐面上羽根形状

斜流ポンプ翼形状を作図する為の手作業での部分翼形状展開図作成作業の前準備と考え方は、子午面形状作成とSolidWorks上での作図の意味を説明して来ましたので、今回はいよいよ部分翼の2次元平面上への展開形状の作成を行いました。

展開円錐面上羽根形状1

今回描いている2次元展開した部分翼形状は、動翼の最もチップ側(シュラウド側)の翼形状です。左図にあるように、その部分翼形状が載る円錐面を平面に展開すると扇型になり、その扇型の端から端までに部分翼形状が羽根枚数分存在します。

部分翼は、羽根入口の相対速度に最適な入口角度と、圧力を発生するのに最適に計算された出口角度を持ち、その間の翼曲がりは、翼間の相対速度の変化や羽根角度βの分布が極端な変化を持たないようになど、翼間でのスムーズな流れを求め決めていきます。

高比速度遠心ポンプ羽根(インペラー)の設計例

高比速度遠心ポンプ羽根

高比速度・小型・高効率の3次元羽根とはどんなものか、遠心ポンプの羽根例で見てみますと、左図のような形状の羽根となります。これは比速度476という、市販のポンプは比速度が250以下が多いので、かなり比速度の高い滑らかな3次元曲面形状を持つ高効率インペラーとなります。 

遠心ポンプ羽根の比速度による変化

遠心ポンプ羽根の比速度による変化を3次元設計した羽根の形状図を使って説明したいと思います。

遠心ポンプ羽根1

左図は、比速度120の遠心ポンプ羽根です。羽根が見やすいようにシュラウドバンドを非表示にしています。見て分かるように、薄い円盤状の羽根であり、液体の通り道は狭い状態です。その狭さのため、摩擦損失が大きくなり、一般的に効率が低くなります。普通は2次元羽根が多いです。

遠心ポンプ羽根2

これは、比速度250ぐらいの羽根となります。一般市販遠心ポンプでは、比速度が大きいほうになり、羽根間面積も充分広い為、比較的良い効率となります。この比速度ぐらいまでは、図のような3次元羽根ではなく、2次元羽根でも製作はされています。

遠心ポンプ羽根3

左図は、比速度400の遠心ポンプ羽根です。この比速度ぐらいが遠心ポンプで最も効率の良い比速度範囲となります。まだ国内での一般的なポンプでこのくらい大きな比速度を採用しているメーカーは少ないです。その理由として羽根を3次元曲面羽根として設計する必要が有るからと推定できます。 

遠心ポンプ羽根4

これは、もう遠心ポンプでも相当に比速度の大きい羽根です。図のものは比速度750ほどです。ここまで比速度が大きくなると、遠心ポンプというよりは斜流ポンプに近い羽根形状となっています。この羽根形状は、3次元羽根でも作成が難しいほうとなります。