ポンプ設計

斜流ポンプの翼面設計

斜流ポンプの翼面設計

斜流ポンプの設計をしている途中です。斜流ポンプは、原子力発電所などで主に使われるかなり大型のポンプで、普通は人間の背丈よりも大きい機械となります。そのためあまり設計する機会が少ない機種ですが、私的には羽根が動翼(回転する羽根)と静翼(流れを整流する羽根)で構成されているカッコイイ形状のポンプと思っています。不思議なことに、羽根もの機械では、その羽根が見た目に良い形をしていると性能も良いものとなることがこれまでの経験からは多いように感じます。

では、羽根の実際の設計方法ですが、これはまず動翼の羽根出口で必要仕様の流量と圧力を達成するように全体形状を決めながら、動翼の翼と翼の間の流れ、これを翼間流れといいますが、それが最もスムーズにロス無くながれようになる羽根翼面形状をつくる3次元流線を求めることとなります。その3次元流線群から3次元CADでサーフェースロフトなどを使用して実際の翼形状を作成していきます。その途中の図を載せてみます。

配管取り付け型ポンプの設計事例

配管取り付け型ポンプ

このポンプは、工場などの配管の途中に簡単に取り付けることが出来るタイプのポンプとなっています。一般的なポンプは、まずポンプ本体とモーターの組み合わせ状態で売られているため、それを据え付ける基礎が必要となり、更にそのポンプの場所に対して配管を持ってくるというイメージですが、今回のような配管途中に後からでも取り付けられるタイプのポンプ(これを専門的にはインライン型と言っています)は場所もとらず非常に手軽に設備出来るポンプと言えると思います。

ポンプのパイプの中には、水中でも大丈夫な水中型モーターとそれにより駆動される斜流型羽根を持つポンプ羽根があり、更に羽根を出た水は整流翼(ガイドベーンといいます)で良い流れに変えられて送られます。

自動車エンジンラジエター用ウォーターポンプの設計事例

自動車エンジンラジエター用ウォーターポンプ

自動車エンジンは、普通水冷エンジンとなっていますが、その冷却した水をラジエターに送ってラジエターで空気と熱交換を行い冷却液の温度を下げていますが、そのラジエターに水冷液を送るためのポンプが一般的にウォーターポンプといわれています。

水を廻すだけなのでたいして性能も必要ないと思われているのか、これまでの大量生産ウォーターポンプはエネルギー効率がわずか20~30%程度しかなかったのです。しかしエンジン動力を意外と消費していて、最大では1馬力以上の必要動力となります。それでは、このポンプの効率を例えば60%に向上させれば、同じ液量・圧力を出すのに、1馬力の半分の0.5馬力ですみますから、燃費向上に寄与し、エコとなります。

この目的の為に、ポンプの羽根を高効率の3次元はねとし、更に渦巻きケーシングも効率の良い形状としたのが、図のポンプです。

純水を送るためのポンプ

ポンプ

色々な製品を洗浄するために、洗浄水を送るためのポンプが作られていますが、特に不純物を嫌うIC業界では純水でチップなどの部品を洗浄する必要があり、そのためにポンプ自体からのゴミが純水に混じらないようにしないとせっかくの洗浄の意味が無くなってしまいます。

そこで、ポンプ羽根が回転しても羽根自体の接触や軸受けの磨耗などによるゴミが出ないように色々なタイプのポンプが開発されています。ある程度の水量と圧力が必要とされる場合は、遠心式のポンプが必要となりますが、どうしても軸受けがあるとゴミがでます。

そこで、羽根自体を回転させながら水中にヘリコプターのように完全に浮かべさせて非接触で運転出来るタイプのポンプが下図の開発事例です。水中に羽根自身の回転力で浮上するために、特殊な浮上羽根をメイン羽根以外に付けて設計されています。

高効率達成型ウォーターポンプの設計事例

高効率達成型ウォーターポンプ

以前に、ウォーターポンプ設計事例を説明したことがありましたが、今回は特に高効率を目指した場合はどのようなウォーターポンプとなるかを説明します。

高効率を達成するためには、回転する羽根はシュラウドという羽根部覆いを持つタイプが必須であり、羽根自体も複雑な3次元曲面羽根を流線法(9本以上の多数の流線を想定)で流れに対し最適な形状を設計する必要があります。

又、羽根から出た流れはかなりの速度を持つため、それをスムーズに圧力に変換出来る優秀な渦巻き形ケーシングが必要です。

医療用流体機械設計事例 その1

医療用流体機械設計事例

医療用の流体機械設計事例として、血液を送るためのポンプの設計事例を載せてみました。

これは、人口心臓として使われるタイプで、ポンプで言えば遠心式の羽根を持つボリュート型ポンプと言っていいと思います。

これの設計上での要点は、血液が流れの中で凝固しないような流れを作るポンプとしなければならないところでしょう。そして、血液成分を壊さないようにインパクトのない構造にする必要があるところだと思います。

医療用流体機械設計事例 その2

医療用流体機械設計事例

人工心臓ポンプ設計事例を載せましたが、今回新たに少し構造が異なるタイプを設計しましたので御紹介します。
前回設計の人工心臓ポンプでは、ポンプ入口部の軸受け部付近で流体解析により滞留が発生しているのが分かったため、今回設計ではポンプ入口部をストレートに流入するように形状を根本的に変えています。
また、前回のケーシングはただのドラム状のケーシングでしたが、今回はスムーズな出口への流出流れを作る為に、ポンプ一般の渦巻状ケーシングを採用しています。

容積型(ギア式)ポンプの設計例

容積型(ギア式)ポンプ

容積式(体積の変化でポンプ作用を行う型式)ギアポンプとなります。
羽根は、三葉形ギア式となり、三つ葉のクローバーのように3枚の葉がついているような回転羽根が2つ組み合わされて回転し、その羽根と羽根との隙間空間容積の変化を利用します。

基本的には、三葉式羽根は非接触で回転するようにモーター側に同期を取るギアがあり、そのため少し複雑な形状となっています。その3次元CADでの設計画面が下図です。

性能実験用流体機械(ポンプ)の設計

性能実験用流体機械(ポンプ)

流体機械に関する実験装置の設計は、非常に得意な分野です。昔から富士電機さんや東芝さんの流体機械実験装置を30セット以上は設計してきたと思います。

そのように設計してきた流体機械実験装置は、ほとんどがタービン関連であり、実験の精度に非常に厳しいことと、測定データの取り易さの為の設計上の工夫など、色々と試行錯誤してきました。

そして今回は、ポンプの同様な実験装置の設計を現在超急いで行っています。これまでの経験が充分に活かせる構造となり、ほぼ3次元設計は終わりました。

医療用流体部品の設計

医療用流体部品

人間の体の血液循環システムは、心臓というポンプで成り立っている流体機械的なシステムと言っても良いのではないでしょうか。

その扱う流体が、血液などの複雑な成分構造を持つ生きた液体だからこそ、最も難しい流体研究分野だと思います。

この分野にターボ形の流体機械が貢献できる領域も将来にわたって非常に広いと考えており、ぜひ挑戦してみたい課題が有りそうな気がしています。

左の部品は、ある医療用流体機器のフタの部分です。血液が流れる時にパイプから医療用機器に入るフタ付近で血液の停滞による支障が出ていたので、そのフタ部分の形状を血流に無理のない形にする為に色々な形状を考えた中のひとつです。このような静止部分の形状さえ、まだまだ改善の余地が有り、流体設計の必要性が高いと思われます。