熱流体解析

遠心ポンプの流体解析 比速度300程度 1

数年前に設計していた比速度300程度の遠心ポンプの流体解析を今回改めて解析を行ってみました。

熱流体解析 解析結果画像

これは完全な3次元羽根遠心ポンプとして設計したものだったのですが、その時は充分な解析を行っていなかったので、今回の解析では色々な流量についての性能を求めてみます。
このケーシングは、風船型断面形状をもつ最も効率が良い形状と言われているものです。

熱流体解析 解析結果画像

まずは吐出側にゲージ圧がかかっていない状態での解析結果です。
つまり、P-Q曲線(圧力ー流量曲線)なら最も右側の点、最大流量時の流れ状態がこれらの図です。
インペラの流れ状態を見ると、入口状態、翼間流れ状態ともに良く、損失が少ない流れ状態と言えます。

熱流体解析 解析結果画像

結果を見ると、最大流量時でもケーシング出口側の内側では流速の非常に遅い部分があり、この領域の体積は全く無駄な容積となっています。

すぐにケーシングを小さくできないので、次の解析はこのままの形で、吐出圧をヘッドで5mぐらいとしたところを解析してみたいと思います。

遠心ポンプの流体解析 比速度300程度 2

比速度300程度のポンプをヘッド5m程度で運転した場合の流体解析結果です。

熱流体解析 解析結果画像

全体の流れ状況を流速のコンターで表したものです。やはり、ヘッドが上がった分昨日よりも流量が少なくなるために、大きすぎるケーシングでは減速しすぎる部分が出ているのが気になります。
インペラ部では、入口・翼間・出口部ともに無理ない流れ状態となっており、損失の少ない運転が出来ていると思います。効率値は71%ぐらいでした。 

熱流体解析 解析結果画像

インペラの流れ状態は、相対速度のコンター図とやはり相対速度のベクトルで表されていますが、私が性能関係を推察する時は、ほとんど速度の変化状態しか見ていないと思います。
なぜなら、インペラの設計を行う場合には、速度を計算として追っていくので、設計時の仮定した速度と同じになるかを常に気にするからです。

熱流体解析 解析結果画像

流跡線は、どのように流体が流れているかを直観的に捉えるには非常に便利な結果の表示方法だと思います。

ターボファンを一定の回転数で運転した場合の流量を解析

遠心型ターボファンの直径が300mm程度のものがあり、それを1000rpmで回してみたらどれだけの空気量が流れるのか解析を行いました。

ターボファン 解析結果画像1

この遠心型ターボファンは、そのケーシングが一般的な渦型ではなく、吐出側は四角い箱形状ケーシングとなっており、入口の円筒形領域から吸い込んだ空気は、箱型ケーシングを通り下方つまり軸方向へ最終的には吐き出されるタイプですから、天井埋め込み型のターボファンなどと同じ方式と考えてOKです。そしてケーシングの下部には吐き出し領域の四角い空間を設けて解析しています。

ターボファン 解析結果画像2

回転数1000rpmで入口大気圧、出口大気圧として、流路途中にはフィルター等の抵抗はないものとして計算させています。流量は毎分12m3程で、動力は20W程度が必要と計算出来ました。普通の渦巻き型ケーシングを使えればもっと流量も効率も高くなることは明らかです。

今回のファン解析計算は時間依存解析で、解が安定するまで回しています。

ターボファン 解析結果画像3

回転羽根部分の状態は、相対速度状態を表示していますが、真ん中のモーター部分の影響もそれほどなく、入口状態も良く、翼間流れもスムーズです。
その理由の一つとしては、シュラウドリング入口径よりも内側にはみ出しているブレード入口部分が確実に入口流れを捉え整流してブレード後半部に導いているからと推測出来ます。

ターボファン 解析結果画像4

そして、最終的な全体の流れ状態が左図となり、ケーシングがただの四角い箱のため、ファンを出た流れは外周部に広がって流れ、傘のような流れ領域を作っていますので、もし均一に下方に流したいならひと工夫が必要と言えます。