熱流体解析

オープン型軸流ファンの流れ状態 後方旋回流に注目

ケーシングを持たないオープン型軸流ファンの流れ状態を解析しましたので、解析結果の流跡線図(色分けは速度を示します)を載せてみます。

オープン型軸流ファンの場合、空気の吸い込みは羽根前方面から吸い込むというよりも、羽根前面の球状の空間から広く空気を吸い込んでいることが図から分かります。

ですから羽根がケーシングで覆われた一般的な軸流ファンよりも吸い込み空気量が多くなっています。 そして羽根に吸い込まれた空気は、羽根ブレードの回転により旋回流を与えられて後方に送られるのです。

時々軸流ファンを通る風が後方でもまっすぐ出ているように勘違いしている人がいますが、ファンブレードが回転により必ず風に旋回のエネルギーも与えますので、後方旋回流がない軸流ファンというのはありえないこととなります。

また風がファンブレード出口で急に縮流しているのは、風の速度が上がってその部分の圧力が下がり回りの大気圧で縮められていることが考えられます。

少し意外なことは、ケーシングが無い軸流ファンであるのに、羽根外周側も空気を送り出す作用をしていることです。
というのもケーシングが無いと羽根外周部は空気を押す圧力面と負圧となる面との間に流れの回り込みが起き、あまり翼作用をしないということになりますが、この事例では割と外周部も送風に貢献しているようです。

半オープン型軸流ファンの流れ解析

少し前にはオープン型軸流ファンの流れ解析結果を載せてみましたが、今回は半オープン型軸流ファンの流れ解析途中を載せてみたいと思います。 使用する半オープン型軸流ファンは、次の図のようなPC冷却用ファンに近いものです。

空気機械の機械まわり風流れ解析結果1

そしてこの軸流ファンの流れ解析途中の軸断面の流れ速度分布を次の図が示しています。

空気機械の機械まわり風流れ解析結果2

ファンの前面から空気を吸い込み、短いケーシング内を加速されて空気が通り、次にケーシングから出ると円錐状に広がっています。

このケーシングから出た流れが相当に広がっていく理由としては、短いケーシング内を空気が通る時に、強い旋回流れが空気に与えられ、それにより遠心力の強い吐出流れが急激に下流で広がることが推測出来ます。

この短いケーシングの軸流ファンであっても、ケーシング内に静翼があれば旋回風を軸方向流に調整出来、ここまでの広がりは無くなり、遠くまで空気が到達する直進流れになるのですが・・・・・
現在、半オープン型軸流ファンにはなかなか静翼が付かない製品が多いのです。それは多分コストとの兼ね合いが大きいのかもしれません。

イオン発生空気清浄機の室内運転状態解析結果

イオンを発生して空気を浄化する方式の空気清浄機を室内にて運転した場合にどのような気流が発生しているか流体解析を行ってみました。

イオン式空気清浄機の内部にあるファンはシロッコ式ファンであり、その回転数を速くすれば大きな流速を発生することも可能ですが騒音は大きくなります。

そこで、必要な室内対流を起こす為にファンの最低の回転数はどれだけあれば良いかを判断するための解析となっています。 この想定した部屋は普通の部屋より随分小さいために充分な対流が起こっていますが、6畳以上の部屋を次は想定して解析を進めてみましょう。

また、室内に家具がある状態でも解析を行い実際の状態にも近づけるつもりです。 この気流にパーティクルを乗せて動かし、微小埃の流動も見てみたい対象です。

流体解析とはパソコン内での模擬実験である

時々、流体解析がまるで流体設計計算と同じようなことをやるイメージを持たれている方がいらっしゃいますが、流体解析とは実際の実験の代わりに行うパソコン内での模擬実験となります。

設計を行った設計品を実際に造って性能実験を行う前に、パソコン内で次の図のように模擬実験を計算で行いその結果を見せてくれるものとなります。

実際の実験装置による実験の代りですから、パソコン内での模擬実験の流体解析計算でもその解析用3次元形状モデルが実際の実験装置と同じ3次元形状と構成を持っていれば解析結果が実際に近くなり信頼性が高くなります。

ただ実際の流体挙動を示す係数値などと流体解析計算中の係数値などが正確に合っていなければ計算結果値はずれてしまいます。
また境界条件と呼ばれる流体解析を始める為の外部的条件の設定が不十分ならばこれも実際とかけ離れます。

しかし条件設計も計算係数値の設定も良い状態ならば、後はパソコンに任した流れ状態の計算となるので、まるで実際の実験で実験時の値が落ち着くのを待っているように流体解析計算の安定計算状態への移行を待ちます。
つまり解析モデル内での流れ状態が落ち着くのを待つ、これが流体解析作業と言えます。

多段軸流ファンの解析結果

軸流ファンにおいて回転動翼が同じ方向に回転する2段のファンの性能解析結果を示してみたいと思います。
まず軸流ファン軸断面での速度分布図が次となります。

空気機械の機械まわり風流れ解析結果1

左図は、同方向に回転する全く同じ軸流ファン羽根が2枚並んでいる状態であり、一般的な多段軸流ファンにある動翼下流の静翼は省略している構成となっています。
よってその構造での流れは、動翼により発生する旋回流を軸方向に転向する静翼効果がないため、次の図のようにその流跡線はファン出口で大きな旋回流を持つものとなってしまいます。

空気機械の機械まわり風流れ解析結果2

これは結局、その後流の旋回エネルギー成分が軸方向に充分転向されていないため、軸方向への流れ推力は小さくならざるを得ず、軸方向流れが必要な場合は大変に不利なものとなります。

ただ逆に出口流で旋回エネルギーが大きく必要な場合は、効果の高い羽根配置といえましょう。 用途によりこのファン構成も活かせたり活かせなかったりするということになります。

特殊な軸流ポンプの3ケースを設計・性能解析してみました

軸流ポンプの色々な方式を探る目的で、特殊な3ケースについて設計を行い性能解析を行ってみました。

軸流ポンプ形式その1として、次が性能解析結果の流蹟線表示となります。

次が特殊な形式その2の軸流ポンプ性能解析結果としての流蹟線図となります。

そして最後に軸流ポンプ特殊形式その3の性能解析結果図です。

以上が性能を改善するための設計及び性能解析を繰り返していく場合の事例として載せてみました。

浮揚機体のための2重反転推進ファンを再度研究開始

空中に浮揚する機体のための推進ファンとして、2重反転ファンを用いる研究を再度開始したいと考えています。

新しい実験研究室が使えるようになりますので、設計及び性能解析での2重反転ファン研究から、いよいよ試作を行い実験も行う方向に進みます。

まずは小さな実験装置からなので、以前の設計解析結果を基として具体的な装置の設計に入りたいと考えています。