熱流体解析

小型ロケットエンジン用タービンポンプの流体解析

今日は、以前から少しづつ研究をしていたかなり小型の液体ロケットエンジンに使える燃料圧送用タービンポンプの流体解析を行いました。

小型ロケットエンジン用タービンポンプの流体解析1

左図がタービンポンプのインペラ(羽根)部分となります。インペラの回転数が15000rpmと高速であり、吐出圧力は34Kg/cm2と大変に高圧となることが解析で分かりました。

小型ロケットエンジン用タービンポンプの流体解析2

これほどの高圧を出すタービンポンプですが、これの直径はわずか100mmしかありませんので、大変小型のポンプです。 図は、速度分布と速度ベクトルを表わす内容となります。

小型ロケットエンジン用タービンポンプの流体解析3

これは、インペラからディフューザー、そしてケーシングと流れて行く状態を速度分布で見ているものです。
なかなかに良い流れ状態であると判断しています。

小型ロケットエンジン用タービンポンプの流体解析4

左図は、圧力の分布をインペラについて見たものです。
羽根の圧力面と負圧面の圧力差が気になるところですが、この図を見る限りでは極端な不均衡はなく、良い状態です。 

小型ロケットエンジン用タービンポンプの流体解析5

そして、羽根入口からケーシング出口までの全体の圧力分布を見ると、やはり気になるのは、インペラ入口で相当に圧力が下がっているところです。
この圧力降下部をそのままにすれば、液体のキャビテーションの発生によりポンプは揚水不能となりますので、インペラの前にインデューサーが必須となることが解析結果からも分かります。

ポンプ駆動用タービンを衝動型速度複式に

昨日計画した液体ロケット用ポンプを駆動する単段ガス蒸気タービンは、直径が大きすぎました。
それで今日は、タービンの直径を半分ぐらいにすべく、衝動型速度複式2段タービンの設計計算と流体解析を行いました。

ポンプ駆動用タービン1

この衝動型2段タービンの外径は100mm程度となりますので、かなり小型です。 左図は、流体解析用にモデリングをした形状なので、実機とはケーシング等異なります。

ポンプ駆動用タービン2

左図がいつものように、速度分布を見る為の解析結果図です。
今回の計算にあたって、蒸気の代わりに空気を作動流体として設定し、図左側が空気流入口であり、入口圧力設定値は1Kg/cm2、出口圧力は大気圧としています。

ポンプ駆動用タービン3

タービンの回転数は10000rpmと設定して解析を進めました。
左図が翼近傍の流れ速度の状態を色分けと速度ベクトルで表しています。 これを良く見ると、第2段目動翼出口では流れが回転方向と反対方向の旋回速度を持ったまま流出しています。

速度複式タービンの回転数を上げて解析しました

回転数10000rpmにて速度複式タービンの流体解析を行いましたが、その回転数はタービンの最高効率を得るには低すぎました。

速度複式タービン解析結果画像1

それで左図のように、回転数15000rpmに設定回転数を変更して流体解析による性能解析を行いました。
図は、速度の分布を表わしており、同時に流跡線を表示しています。

速度複式タービン解析結果画像2

解析結果を見ると、まだ羽根の回転数が遅いようで、2段目動翼を出た流れが旋回流を持ったままです。
この旋回流がなくなり、軸方向に流れが進めば、静翼で作られた旋回エネルギーを全て動翼が吸収していることとなり最高効率状態となります。

速度複式タービン解析結果画像3

ちなみに、回転数15000rpmでの効率を計算すると40%程度になっておりかなり低い状態です。
この2段目動翼後方の旋回流をなくすため、次は20000rpmにて流体解析を行いたいと思います。