強度解析

回転機械の遠心力強度解析例 高速ブロワインペラの安全率

最近のターボ機械(ファン、ブロワ、コンプレッサー、ポンプ、タービン)のトレンドは、小型高速化となっています。
その利点は、
1.高速化して小型化することで機械の金額が安くなり、場所も取らず取り扱い易い。
2.高速化する場合は高速で大流量となるので、比速度が大きくなり3次元羽根を用いるとターボ機械の効率を上げることが出来る。
3.高速化にはモーターや発電機が高周波インバーター制御となるので回転数を自由に可変出来ることとなり、運転状態に応じた最適な状態を可変速で造りだせる。
以上の利点をターボ機械に適応すると問題も生じ、その中の一つが高速回転による強大な遠心力に耐える羽根設計が必須となることです。
幸いにも現在は構造解析ソフトが進歩し、割と手軽に遠心力解析が出来るので、次の事例のように羽根全体にわたる詳細な安全性を確認することが出来ます。

この安全率解析事例を見ると、円盤状のターボ機械羽根では外側の材料が内側の材料を遠心力により引っ張り、それによりどちらかと言えば中心部附近に危険なところが存在することが分かります。

タービン羽根部の強度解析 軸流型気体タービン

軸流型気体使用タービンの回転羽根部の強度解析事例です。強度解析用構造メッシュが次のようになります。

スプライン継手の構造解析その1

そして強度解析計算後の安全率分布を示しているのが次の図です。

スプライン継手の構造解析その2

安全率とは許容される力の大きさより以上の力が加わっていないかどうか見るものであり、この図では一番赤いところが許容される力以上が加わっている可能性があります。

この羽根には回転の遠心力が加わっていることより、ブレードの外周側構造部が内側の部分を外側に引っ張ることとなり、それで中心に近いほど赤い危険性のある部位が増えています。

よって中心部構造の見直しが必要とこの解析結果は示しています。

高速遠心ターボブロワーの強度解析

高速遠心ターボブロワーの強度解析を次のようにインペラとケーシングについて行いました。

まず遠心ターボインペラの遠心力強度解析結果です。

スプライン継手の構造解析その1

次は、ケーシングに内圧がかかり、それによる安全率強度解析結果となります。

スプライン継手の構造解析その2

以上の2ケースが高速遠心ブロワーについて構造解析を行った結果ですが、機械の安全性を考え遠心力や圧力が発生する場合は必須の解析となっています。

以前のように手計算で簡略化形状を基に計算する場合もありましたが、特に3次元形状には応力が集中しやすい場所では3次元モデルを使った解析を行わないと小さな部分が危険になる可能性を排除出来ないと思われます。

特に、角部、穴部は気を付けないと非常に危険かもしれません

多段蒸気タービン翼の高速回転時強度解析

高速で回転する多段蒸気タービン翼の強度解析を行い、その解析結果を載せてみます。

ベアリングを支える長パイプの強度解析1

最初は、安全率の分布色分け図となります。

ベアリングを支える長パイプの強度解析2

次は、応力値の分布色分け図となります。

ベアリングを支える長パイプの強度解析3

次は、変位値の分布色分け図となります。


ベアリングを支える長パイプの強度解析4

そして最後は、ひずみ値の分布色分け図です。

これらのように構造解析を行うと、安全率、応力、変位、ひずみの値が計算されて出てきます。

安全率が低いのは、羽根円盤の内側のほうであり、それは外部の質量が内側の素材を引っ張るからです。

そして中心部に近い穴や主軸を通す穴など、それらの縁は安全率が低くなるので常に気にして設計しなければならない部位です。

ですから遠心力の引張りが弱い薄い羽根ブレード部は安全率が高かったりします。

なんだか羽根が一番先に遠心力で飛びそうにありますが、解析すると以外と違っていたりして、人間の感覚もあまり当てにならないのかもしれません。

流体力と遠心力の合力による風車ブレード強度解析

スパンの長い風車ブレードや飛行機用プロペラなどは高速で回転すると大きな遠心力が羽根付け根に生じるので強度が持つかどうか強度解析が必要となります。

また、実際に運転している場合はブレードは遠心力のみでなく流体力を受け、それもブレードの強度を解析する場合は考慮しなければ正確な解析とならないのですが、次は遠心力と流体力の両方を考慮した強度解析結果の事例です。

スプライン継手の構造解析その1

上図は流体力をかけている様子を示しています。

次は遠心力もかけて、ブレード全体で安全率の分布がどうなっているか示している解析結果コンター図です。

スプライン継手の構造解析その2

これは羽根材質が超超ジュラルミンなので強度が高く回転速度は速いが安全な結果となっています。

現在スパンが長いブレードはGFRPなどで造られる傾向にありますが、アルミ素材でも適応可能なものは相当に多そうです。

アルミの良いところは表面の滑らかさと、付け根部が機械加工可能で精度高く完成出来るところと、羽根にバラつきが少なくバランスが良いなどでしょう。特に可変ピッチには良いと思います。

耐圧ケーシングの強度解析事例

最近、高圧力に耐えるように設計しなければならないターボ機械ケーシングが増え、次の事例図のように構造解析を行い安全性を確認しています。

高圧ケーシングとしては、水力タービン高落差用ケーシング、高圧ガスタービンケーシング、高蒸気圧タービンケーシングなどがあります。