熱流体解析

ファン・ポンプ設計と流体解析

ファン・ポンプ設計と流体解析1

私が設計している流体機械は、ファンやポンプの新製品開発設計の受託が主です。
特にタービン設計で培った複雑な3次元曲面を持つ高性能な羽根設計が得意であり、このごろはインバーターや高性能モーターなどの出現で、ファンやポンプを高速回転させ小型化を図る需要が多くなったため、これらを実現するためにはどうしても3次元曲面を持つ性能の良い羽根設計が求められるためです。

ファン・ポンプ設計と流体解析2

その設計方法は、流線法と呼ばれる準3次元解析を羽根に適応して最適翼形状を設計していく手法であり、ターボ機械特有の解析を含めた設計手法といえると思います。この手法をうまく使えれば非常に高効率のファン・ポンプとなるのですが、更に色々な運転状態での流れの様子も3次元流れ解析で求めるようにしています。準3次元流れ解析の画面図と3次元流体解析の画面図を載せてみます。

水車ドラフトチューブの流体解析

水車ドラフトチューブの流体解析1

以前から設計を行なっていた水力発電用タービンですが、その羽根から放水される水を導く管路であるドラフトチューブと呼ばれる部分は、内部の流水圧力が非常に低くなると共にその中をいかにスムーズに水が流れるかでタービン効率を左右するため、今回通路内形状を生成して流体解析を行いました。

その形状は、テーパ状の面積拡大部分とその先のベンド(90度の曲がり)部分になっているため、解析結果を見るとやはり均一な流れとなっておらず、特に90度ベンドの外側部はほとんど速度が無い部分がありそれによる効率の低下が予想されます。また、流跡線の形状を見るとベンドサイド部からねじれるような形跡が見られるのでベンドの曲率自体を変更してより良い形状を見つけ出す事とします。

水力タービンスパイラルケーシングの流れ解析

水力タービンスパイラルケーシングの流れ解析1

設計を行なった水力タービン(出力1000KW)の渦巻き型ケーシング(スパイラルケーシン)の内部流れ解析を行いました。

水力タービンスパイラルケーシングの流れ解析2

その目的は、水力タービンの動力を発生する動翼(これをランナーと呼んでいますが)は、カタツムリ状ケーシングの中で作られる旋回流れとそれを更に整流して正しい角度の旋回流へと導く案内羽根(これをガイドベーンと呼んでいます)からの旋回流エネルギーを吸収することで動力を発生しながら回転しています。
よってその旋回流を作り上げるケーシングとガイドベーンでどのように流れがなっているか知ることは非常に重要です。

このような流体解析を行なう目的で3次元CADで作った解析用形状とそれによる流体解析結果を載せてみます。この結果を見るとガイドベーン部では円周方向に不均一な流れがあり、それがどのくらいランナーの回転に影響を与えるか検討を行なってみます。

秋水型ロケット戦闘機廻りの流れ解析

秋水型ロケット戦闘機廻りの流れ解析1 秋水型ロケット戦闘機廻りの流れ解析2

実在のロケット戦闘機である「秋水」に近い形状で、3次元CADを使い機体をモデリングしてみました。
その目的は、機体の推進力がその速度に応じどのくらい必要かを計算するためで、仮想風洞ともいえる流体解析シミュレーションのなかで物体の外部流れ計算を使用して、最終的には機体の抗力の全体値を計算させ、その抗力がすなわち速度に打ち勝つ必要推進力そのままとなります。

現在、設定を変えて解析検討を進めているところであり、抗力の詳細値が出てくるのももう少し先です。現在の流状態への評価としてはそれなりに特性は出ていると思いますが、もう少し計算セルを増やして時間をかけ結果を求め評価したいと思います。

殺菌装置の内部流体解析

殺菌装置の内部流体解析1

設計を行なっていた空気中の菌を殺菌する装置の解析用データの準備が出来ましたので、内部の空気流れの解析を行ないました。設計終了時の筐体内部の仕切りの形状のままに解析を行なったのが左の図です。

これは、仕切りによりファン部へ空気が直進するのを防ぎ、適切な空気速度をなるべく全体に行きわたらせるようにしているのですが、初期形状の流体解析結果を見ると速度が速くなりすぎる部分が流れの中心にかなり見られたため、仕切り形状を長さや角度を見直し、流体解析を再度行なった結果がこちらです。

殺菌装置の内部流体解析2

その結果、流れ中心部の速すぎる部分は減りましたが、壁際の速度がほとんど無い部分の領域が増えてしまいました。明日から、もう一度色々な仕切り形状の変更を試し、最適な形状を見出すよう流体解析を繰り返してみます。

翼形状の流体解析事例

今日は、任意翼型の翼の流体解析をご紹介します。任意翼型というのは、NACAやゲッチンゲンなどの翼性能資料が有って広く知れた翼型とは異なり、自作の翼形状です。今回は、2種類の翼型を比較するために作成しました。

翼形状の流体解析事例1翼形状の流体解析事例2

昔からある翼型風で特に揚力を重視して失速のしにくい鈍頭(丸い頭)を持つものです。層流翼風であり、比較的鋭利な頭を持ち、流線型に近いスリムな全体のプロフィールを持つタイプです。

翼形状の流体解析事例3翼形状の流体解析事例4

鈍頭タイプの翼の速度分布と圧力分布図となります。層流翼タイプの翼の速度分布と圧力分布図となります。両方の翼ともに迎え角4度で風速5mの流れに対している状態です。これを詳細に見ると、おのおのの翼形状での特性の違いが良く分かります。

仮想ロケット戦闘機機体の風洞シミュレーション

仮想ロケット戦闘機の風洞シミュレーション用モデル機体が完成していましたので、流体解析ソフトによる「ロケット戦闘機機体の風洞シミュレーション」を行なってみました。

風洞シミュレーション1 風洞シミュレーション2
風洞シミュレーション3 風洞シミュレーション4

実際の風洞実験では、実寸の機体モデルを使うことは大きすぎて不可能ですが、流体解析による風洞シミュレーションの場合は、モデル機体を実寸として解析することが出来ますので、今回の解析設定としては、機体の翼幅は11m程度、流体:空気、風速毎時900km=250m/秒、機体軸の迎え角0度を採用して計算を行なっています。

その結果が、この4つの図であり、上の2つが機体表面の圧力分布を表しており、下の2つが機体表面の速度分布を表しています。これらの結果から、計算で機体全体の抗力を計算していき、必要な推進力を検証していきます。

ターボポンプ運転状態の流体解析

ロケット用ターボポンプの本格的な設計検討を行なう前に、それに近い形でのターボポンプを設計して、その運転状態での流体解析を行なってみました。

ターボポンプ運転状態の流体解析1

このポンプの用途は、ロケット用燃料(灯油)を約30気圧までに加圧して、ロケット燃焼器に供給することです。ポンプ回転数は、高速の毎分14500回転となり、ポンプとしては超高速の部類となります。燃料の圧送量は、毎秒2kgとなり、直径100mm程度の羽根としては大変な性能といえると思います。

ターボポンプ運転状態の流体解析2

ただ、これだけの燃料を羽根入口が吸い込むと、小さな羽根入口での流速は大変速くなり、確実にキャビテーションの発生で吸込み不能となります。そこで実際には、この遠心羽根の前に圧力を適度に上昇させるための軸流インデューサー羽根を取り付けます。