水力発電機事例

イカ型ケーシング2射ペルトン水車発電機35KW 21年前

ご紹介する水力発電機は、特徴のある形状を持つ「イカ型ケーシング2射ペルトン水車発電機 35KW」です。 このペルトン水車発電機は、21年前にその特徴的なケーシング形状などを設計して製作した自分としては思い出深いペルトン水車と言えます。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

イカ型ケーシングとは自分が設計したそのケーシング形状が、今見るとイカに似ているので銘銘しました。

本来のその特徴あるケーシング形状の目的は、このペルトン水車が2射ペルトンつまりノズルが2つあり、2つのノズルから噴射する水が互いに干渉流とならないためにはどのようにノズル配置を行えば良いか色々と考え決めた形です。

このペルトン水車は、落差70mの地点に適用されますが、そのノズル流れが干渉していないか目視出来るようにペルトンランナ手前には透明アクリル製の蓋が付いています。

現場に据え付けて運転した状態を見たところでは、良い流れ状態で運転出来ていました。
落差70mがある据付地点は、垂直の崖の下の狭い領域でしたので、据え付けは大変に苦労すると共に、水圧管敷設もなかなかに大変な作業でした。

狭い据付場所に置くだけで運転開始となるように、ペルトン水車発電機は完全なパッケージ式となっており、建屋不要としたのもこの発電所の特徴です。

結局水力発電の目的とは、水力タービンを水の力で回してそれが発電機を駆動して電気を出すこととなりますので、なるべく不要な土木設備や関連設備などは無いほうが発電単価を安く出来る発電所となります。

とすれば、このパッケージ型イカ型ケーシング2射ペルトン水車発電機35KWは、理想的な水力発電装置であったのでしょう。

インドネシア向けODA水力発電装置 太陽光とのハイブリッド発電 20年前

これもかなり以前で20年ほど前になりますが、インドネシアの電気の無い山村に水力発電と太陽光発電のハイブリッド発電システムを海外無償援助(ODA)にて納める時に、弊社で製作した水力発電機が次の写真となります。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

このドラム型ケーシングフランシス式水力発電機は、出力10KW程度であり、これと同時に据え付けた50KWクラスの太陽光発電システムと共に ハイブリッド発電として村落に電気を供給し始めました。

このフランシス水車発電装置の特徴を簡単に述べると、まずコストを下げるがあまり効率は下がらないドラム型ケーシングの採用、 そして4極などの通常発電機を使用するための回転数増速、流量変動に対して上水槽液面を一定にするための可変ガイドベーン装備などが上げられます。

実際の現地運転をしばらく行ったところでは、やはり水量が安定しているこの水力発電装置がベース電源となり、天候に左右される太陽光発電は補助的な使い方となったと後ほど聞きました。

しかし既にこのような20年前に自然エネルギーのハイブリッド発電システムを自分は行っていたので、現在流行となりつつある自然エネルギーの連携発電は普通のことのように感じています。

現在太陽光・風力の見直し論が多いのですが、ベース電源としての安定性は水力発電に有利な点が多くあり、もっと小型水力の見直しが言われても良いのにと思っています。

バレル型ケーシングフランシス式水車構造 15年前製作

時期はうろ覚えですが、15年ほど前に設計したバレル型(ドラム型)ケーシングフランシス式水車製作品の内部構造として、ランナ羽根部を見た写真を載せてみます。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

このバレル型水車内部構造から分かることは、ランナ大きさに対してケーシング大きさが限界まで小さくなっていることでしょう。

これにより、渦巻きケーシングなどの高価なケーシングではなく、廉価な構造のバレル型ケーシングを採用するとここまで全体がコンパクトになることが分かります。

また、ガイドベーンのリンク機構も簡素化しており、普通は2リンクによるリンクモーションが多いのですが、これは1リンクとすべり構造によるガイドベーン操作機構として、構造の廉価化を達成しています。

更に、ケーシング内部に詰まることのあるゴミも、大き目の手を入れやすいハンドホールを装備することで、内部の掃除性が大変によくなっており、メンテナンスのし易い水力タービンです。

新型フランシス式水車実験機 18年前に実験実施

東南アジアへのODA(海外無償援助)向けペルトン水車110KWを2台製作したのが、25年前となります。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

この考案した新型フランシス式水車の特徴は、そのガイドベーン機構にあり、その特殊なガイドベーン操作装置により、設計流量よりも少ない小流量時にフランシス水車の効率低下を防ぐことを実現することです。

左の写真のように水車ドラフト管上部を透明アクリルとして、運転時に外部から運転状態を観察することが出来るようにしています。

実際の実験は社内の実験装置で行うのではなく、電力会社の協力が得られたので、ある水力発電所の所内冷却用配管の圧力水を使うことで性能実験を行いました。

性能実験の結果は、ある程度部分流量時効率の改善が見られたことですが、大幅な効率改善ではなかったというところです。

この例のように、自分は水力タービンの実験装置関係は非常に多く設計製作しており、全部では全く異なるものとして50セットは行ったように思います。

ということで、タービン系及びポンプ系、そして送風機系の実験一式、慣れております。

1000KW 2ノズルペルトン水車 22年前製作

22年前に製作した1000KW2ノズルペルトン水車の紹介です。2ノズルペルトン水車とは、タービンのペルトンランナ(動翼)に2つの噴射ノズルから圧力水を吹き付けるタイプを言います。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

随分昔の仕事だったので、その仕様も良く覚えていないのですが、たぶん落差は200mぐらいだったように思います。

工場内で立てて組み上げると、ケーシングのコンクリート埋設部の高さもあり、随分と背の高いタービンとなりますので、組立ても少々手間がかかるものとなります。

また、ペルトンランナは発電機の軸にオーバーハングで取り付けられていることもあり、ランナを全体組立て時にセットすることが難しくなるので、ジグなどでノズル位置調整を行わなければなりません。

またペルトン可動ニードルノズルの調整も重要な確認事項となり、割と手間がかかります。
まあなんにしても一番大変なのは、全体の芯出し作業だったようにも思います。

横軸可変ピッチプロペラ水車発電機の計画図 去年

横軸可変ピッチプロペラ水車発電機の概略計画をちょうど去年の今頃行ったものが次の図です。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

当社が有限会社から株式会社に変更する前に計画したものなので、有限会社ターボブレード計画と図に入っています。

この計画場所は年間の流量変動が大きいため、固定ガイドベーン+可変ピッチランナのプロペラ水車を計画することで流量減少シーズンでも高効率で運転可能にして、年間発電量の最大化を計画しているものです。

可変ピッチランナブレードは、主軸を貫通する操作ロッドにてバルブ型水車のケーシング内にある電動サーボモーターから可動されます。
ランナブレードは3枚又は4枚羽根となり、プロペラ水車でも大流量に適応する高比速度タイプのタービンとなります。

よって少ないランナブレード部は充分にゴミなどを通過させる隙間を持ちランナのゴミ詰まりよる停止は考えにくいものとなっています。

しかし固定ガイドベーンの枚数は多くなり、その部分にゴミが積もることで流量がどんどん低下することは充分にありえるので、 その対策としてケーシングのサイドに大きなハンドホールを設け、それを開ければガイドベーン部のゴミを簡単に除去出来る構造として、安定した運転が出来るようにしています。

また発電機をタービンケーシングが背負うように取り付けていますので、水車発電機全体が非常にコンパクトになり、増速もし易く通常型の4極または6極発電機が使える工夫となっています。

またバルブ型水車の筒形状ケーシングは比較的作り易い構造なので、タービン自体の廉価化が達成されます。
以上のように、この水車発電機構想はなかなかに優れているものと言えるでしょう。

水路の上に置くだけの小型水力発電機

小型水力発電機の設置場所土地が無い場合に、水が流れている水路の上に置くだけで良い小型水力発電の方式として、「水路上設置型小型水力発電装置」の全体構成図が次となります。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

横軸プロペラ水車とその上に載る発電機で小型水力発電装置を構成します。それを更に、既設水路に跨らせるように置き、アンカーボルトなどで固定します。
水車に入ってくる落差水は、水路の上を通っているパイプにより供給され水車を駆動しますが、水車を駆動した水は水車吸出管(ドラフトチューブ)を通ってそのまま下流の水路に放水されます。
つまり以上の構成の小型水力発電所は、その必要とする敷地が最低限となることが分かって頂けたと思います。
これにより、水力発電所建設時の用地買収などの問題がなくなり、しかも土木工事も圧倒的に減らすことが出来て、発電所全体建設費を相当に安くすることが可能です。
この「水路上設置型小型水力発電装置」を据付可能な水路の幅としては、幅1.5mぐらいまでなら大丈夫と予想します。また使用水量は、毎秒1トンぐらいまではいけそうです。
よって発電出力としては、10KW~150KWぐらいとなります。

水槽の底に据え付ける開放型プロペラ水車 1~3m程度の落差用

昭和初期の頃に祖父が造っていた低落差用水力タービンの型式として、開放型水力タービンというのがあります。

これは落差のあるところに水を溜める水槽を作り、水槽に溜まった水位と水槽の底から放水する放水位面との落差で水力タービンが駆動されるものです。

よってこれは河川から水を田んぼなどに引く導水路の末端に造られることが多い水力タービン設備の型式であり、水槽さえ作れば水力タービン設備の全体が 非常に簡素化される工事を行い易いものでしたので、多くの施設が全国に作られ、その地点は万単位となります。

その後、地域の電力を統括する電力会社による電力網の浸透と共に、水力タービン動力はモーター動力に置き換えられ、これら数万箇所の施設は朽ちていってしまいました。

しかし現在でもそれほど地形や水路網が変わっていないことから、これら20KW以下ぐらいの水力タービン設置可能地点は生きていると考えられます。

とすれば、それら箇所を探していくことで、比較的楽に20KW以下マイクロ水力発電の可能性の高い地点を得られるでしょう。

これら開放型水力タービン設備には、水量の関係からフランシス水車型が多く使用されましたが、水量の多い幹線水路での設備を増やすためには、次のようなプロペラ型水車を開放型として適応するのが良いと考えています。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

この計画では少々ドラフトチューブの容積が大きかったので、よりコンパクトな吸出管に再計画の必要性があります。
この図中には、発電機がありませんが、縦軸の水車主軸からの動力を90度転向するベベルギアを使って左側の突き出したパイプ内に横軸発電機を付け、 プロペラ水車の軸端には可変ピッチ用サーボモーターが付けられれば最高です。
果たして今後の水力開発にこの開放型が受け入れられるのか、それは分かりませんが、過去に非常に普及した型式として覚えておくべきものでしょう。