水力発電機事例

軸流プロペラ水力タービン構造詳細 3次元設計図

小水力発電用の軸流プロペラ水力タービン構造詳細を次のように3次元設計図にて現わしてみます。

縦軸プロペラ水車くみ上げ完了1

ドラフトチューブ

ガイドベーンリンクモーション部

以上3点の3次元設計図が軸流プロペラ水力タービンの構造を良く現わしています。大まかな構造としては、入口弁、タービンケーシング、流量調整用ガイドベーンリンク機構部、主軸と軸受とプロペラ部、吸出し管部、そして最後に電気を発生する発電機部で全体が成り立っています。

軸流プロペラ水力タービンの主要部 写真 羽根部分

「軸流プロペラ水力タービン」の主要部である羽根部、静翼機構部と動翼部の実際の写真は次のようになります。

プロペラ水車組み立て途中1

最初の写真は、静翼(ガイドベーン)のリンク機構がどうなっているか良く分かる写真として撮っています。

プロペラ水車組み立て途中2

次の写真は、プロペラ動翼のノズルコーンを取り外して、微妙なピッチ調整を動翼ブレードに与えるための作業をしているところで、動翼とその奥には静翼(ガイドベーン)が見えています。
これら構造のように、色々な調整が出来る構造をこのプロペラタービンでは採用していますので、実はこの1機種だけでも相当に広い落差・水量範囲を受け持つことが可能となっています。

300KWクロスフロー水車の製作 24年前

自分は、ほぼ全ての水車(水力タービン)型式の設計・製作を行っていますが、その中のタービン機種で中程度の落差、少し水量が多い場所に適応されるクロスフロー水車の製作例写真を載せてみます。 次の写真が製作した300KWクロスフロー水車となります。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

このクロスフロー水車は、流量減少時の効率低下を防ぐ目的で、流量調整用ガイドベーンが3分の1流量用と3分の2流量用に分割した構造となっていて、シンプルに見えるクロスフロー水車でも複雑な構造を持つタイプです。

そしてその特殊な構造を持つ分割ガイドベーン部分が実は機械加工時の曲者であり、非常に軸方向に長いガイドベーンシャッター面を持つために、 その面を機械加工する時には特殊な加工方法を使わないと真っ直ぐなシール面が出来ないこととなるのです。
より具体的に言えば、横ぐり盤の加工軸を付加軸で長く延長して延長したほうには受けの軸受けを設け、ゆっくりと機械加工用刃物を軸に沿って直線で移動しながら加工するという手間のかかる加工方法となってしまいます。
一般的に機械加工は、旋盤で削るような回転切削加工が精度も高く安い加工方法となるので、クロスフローのような特殊な加工方法をとるものは加工費用は高くなります。

また、その短冊形のブレードは軸スパン方向に非常に長い動翼ランナとなっていますが、ランナブレードの溶接部は両方の円盤が主要部のため、 半衝動型ともいえる周期的な水圧力を受けるクロスフローランナブレードではどうしても繰り返し応力が溶接部にかかってしまい、運転中に溶接部のクラックの進行と共に、ブレードの破壊が起こる事故があります。

よって、自分としては同じようなタービン比速度範囲を持つフランシス水車タービンとクロスフロー水車タービンの選定では 必ずしも構造が簡単そうに見えるクロスフロー水車が有利であるとは言えないと以前からずーっと考えていました。

つまり、水力発電候補地点の水車型式選定をする場合には、広いタービンへの知識と経験がないと本当に適切なものはなかなか選定することは難しく、安易に水車選定表などで経験のない者が選ぶべきではないとも思っています。
特に、経験のないコンサルタントエンジニアなどが安易な計画はすべきではないとの考えを持っており、その様な計画はされたほうが迷惑をこうむる可能性が高くなります。

携帯可搬式プロペラ水車発電機600W 開発 20年前

山の中に携帯して人力で持って行き、渓流の落差地点に置くだけで水力発電の出来る水車発電機として、すでに20年前に携帯可搬式プロペラ水車発電機600Wを開発していました。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

写真の一番下が、渓流の落差2m程度の小さい砂防ダムに引っ掛けるように塩ビパイプ導水管と携帯式プロペラ水車発電機600Wを置いて発電を行っている現場実験時の写真です。
現場実験の様子をもう少し詳細に思い出すと、まず渓流を少し上流まで携帯式プロペラ水車発電機本体を一人が持ち、それにつなげる塩ビパイプをもう一人が持って沢を上り、
砂防ダムの堰堤上部コンクリート部分に崖のほうから降りて、携帯水車発電機本体に塩ビパイプを接続して上から吊るす様に下ろしていきました。
その時に、一人が塩ビパイプ上部を持ち、もう一人が水車発電機本体に結びつけたロープに電気を送る電線を絡ませてその端を堰堤サイドの空きスペースまで引っ張り、そこで出て来た電気の出力を測定したのです。
測定した発電量はあまりハッキリとは覚えていませんが、多分500Wぐらいは出ていたのではないでしょうか。
よって携帯可搬式プロペラ水車発電機の実験機としては成功だったと言えると思います。
しかしその当時は、今のように自然エネルギーが見直されている訳ではないため、どうしてもその小さい出力は直接役に立つ使い方を充分に検討出来ることなく終了してしまったこととなりました。
今ならば、小さな電気の蓄電やその周波数変換も行い易くなっているので、色々と使える装置と言えるのかもしれません。

ポンプ水車実験用透明ケーシングフランシス水車 25年前

25年ほど前に、ポンプ水車の実験を行う為に、ケーシングとガイドベーン部も透明化した実験用フランシス水車を作成したときの本体部写真が次となります。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

ドラム型ケーシング、ガイドベーン部、吸出管部も透明アクリルからの削り出しとしているので透明度は高く出来、実験時に流れの様子は非常に良く分かりました。
特に、吸出管部に発生する旋回渦の様子は非常にハッキリと見え、定常回転まで達するまでの過渡時におけるそれは非常に興味深いものでした。
また主軸シールはラビリンス方式を採用したため、シール部抵抗も少なくなり、実験精度も高くなっています。
フランシスランナ直径は90mmほどしかなく、その当時は5軸加工もまだ使っていないと共にランナバンド部も一体でしたので、ランナ製作は鋳造からの手仕上げであったため、製作には相当な時間がかかっています。
フランシス水車として運転する場合の設計落差は、わずか2mであり、実際に上水槽を作りそこから水を送ってみると大変に勢い良くタービンランナは回転を行い、発電出力は100Wぐらいは出ていたと記憶しています。
その発電出力は、設計仕様出力に近いものであったので、設計としては間違いのない良いものと言えると思います。
この実験装置はかなりの長い間連続して運転を行いましたが、その耐久性も非常に高かったことが鮮明な記憶として残っています。

ODA(海外無償援助)向け 110KWペルトン水車 25年前

東南アジアへのODA(海外無償援助)向けペルトン水車110KWを2台製作したのが、25年前となります。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

東南アジアのどの国向けだったか、25年前という昔過ぎてよく覚えていないのですが、インドネシアだったかな~?製作の過程は逆にハッキリと覚えています。
1射ペルトン水車であり、1射とはノズルがひとつのことを言います、可動ニードルノズルの芯だしなどに気を使って組立てなければならなかったことが重要な記憶としてあります。
その芯だしの為に治具が必要であり、その為だけに手間のかかる治具製作を行いました。
また、ペルトン水車のノズル配管は高圧のかかる圧力配管でもあるので、溶接部の超音波探傷なども必要であったのです。
また現地建屋にて基礎コンクリートに埋め込む部分は塗装もことなり、コンクリートとの固着を良くするための表面仕上げも必要でした。

350KW動力回収タービン製作 26年前

プラント内液体圧力エネルギー回収タービン350KWを26年前に次の写真のように設計・製作しています。写真は、製作工場での最終組上がり状態を写したものであり、完成検査を受けている様子が下の写真です。

水力エネルギー利用のもうひとつの形 圧力エネルギー回収1

この動力回収用スパイラルケーシングフランシス式海水タービンも、185KWの動力回収海水タービンと同じ目的で造られたもので、 火力発電所の復水器に供給する海水冷却水に減圧弁で消費していた残圧があり、減圧弁で無駄に捨てられていたヘッド30mの圧力エネルギーを この350KW海水タービンが水力発電電気に変換することで、大きな動力費の削減がなされています。
26年前の当時に聞いたところでも、毎年3000万円以上の電力費の削減となっていたようで、よってこの350KW動力回収タービンも非常に有効な省エネ設備だったのです。
26年経った現在でもこのタービンは運転を続けており、その総合省エネ量は大変なものとなっています。
タービン仕様として特殊な部分は、耐海水用材料であるSUS316Lにてケーシングを製缶していることと、ガイドベーン駆動に工場内エア源を使うためのエアアクチュエーターを使っている部分などでしょうか。
また、タービンの性能としては最高効率90%近くを出しており、非常に性能の良い設計品となっておりました。