水力発電機事例

プロペラ水車部品製作進行中

大分県内に建設する小型水力発電所に使うプロペラ水車の部品が段々と出来上がってきています。
最初は、プロペラ水車の最も重要な流体部品であるプロペラブレードの加工途中部品です。

プロペラ水車部品

今回のプロペラブレードはなんと!全削り出しブレードとなります。
1枚の分厚い高力黄銅板材から3軸加工マシニングで削り出し製作します。

プロペラ水車部品2

こちらは流量調整用案内羽根であるガイドベーンとなります。
形状試作の為にアルミからの削り出しとなっていますが、実際の部品はこれも高力黄銅系の素材からの削り出しとなります。 プロペラ水車の全ての部品は来週中には全て揃い、再来週から組立が始まりますので、その様子はまたご紹介します。

縦軸プロペラ水車の構造部品が出来上がっています

大分県竹田市に建設中の高性能実証試験用小型水力発電所に使われる縦軸プロペラ水車の主要構造部品が出来上がっています。

縦軸プロペラ水車の構造部品1

プロペラ水車の本体ケーシングとなります。

溶接構造で作られており、円筒状の部分が縦軸プロペラ水車のケーシング部であり、円筒ケーシングの右側にあるフランジが導水管からの流入部となります。

ケーシング左側にあるフランジはハンドホール用フランジであり、これだけ大きいハンドホールであればゴミが水車内に詰まった場合も取り除き易くなっています。
下側の四角い板が据え付け用のベースとなるもので、放水槽ふち部分に載せるものです。

縦軸プロペラ水車の構造部品2

手前の黒い管が上部ドラフトチューブとなり、プロペラから出た水の速度を滑らかに減じる役目をします。
その左横にある青い円筒枠形状のものは、直結する発電機のベースとなるものです。
そして向こう側にある青いレジューサ管は非常にガッシリとしていて、導水管からの水をスムーズに水車ケーシングに導く役目をします。

縦軸プロペラ水車の構造部品3

そして最後に紹介します部品は、水車の最も下流に付けられるドラフトベンド及び広がり管となり、水中に置かれるため錆びないような黒塗装を行っています。
これら構造部品の出来上がりを見た感想は、自分的に設計時に抱いていた水車の大きさよりも随分大きな部品群であるなというものです。

というのも、最初の通常設計のプロペラ水車では今回製作したプロペラ水車の1.5倍ぐらいの大きさはあったのですが、それを大変に小型化する設計をしていたのに構造部品としては大きく感じたので、今更ながら流量の多い水車はそう簡単には小さく出来ないなということでしょうか。

今後は、もっともっと水車を小型化する技術を磨いていきましょう。
あまりに小型だと、ゴミがつまりやすくなるので、限界はありますが、構造で工夫をしてみると面白そうです。

プロペラ水車可変ガイドベーン組み立て途中

プロペラ水車の組み立てがどんどん進んでいますので、今日は流量調整用可変ガイドベーン部の組み立て途中を紹介します。

プロペラ水車可変ガイドベーン1

上の写真の放射状に並んでいる羽根が可変ガイドベーンとなり、全部で14枚あります。
羽根は外側が広くなり、内側がその直径に合わせて狭くなり、ボスからピッチまで同じほどのソリディティーになっています。
羽根シュラウド側(チップ側)に羽根を回転させて開度を変えるための軸がついています。

実は羽根もボスもチップ側リングもピカピカの黄銅系合金となっているのも、スムーズなガイドベーン回転を長く保持するための材質選定を行っています。

ガイドベーン主軸の軸端には軸を回転させるためにアームを付けていますが、これをガイドベーンアームと呼んでおり、このアームは主軸にパワーロックでガッチリと組み付けられています。

さらにこのガイドベーンアームを一斉に同時に動かすためのリンクモーション機構がこれから組み付けられていきますので、それは近々ご紹介することとなります。

とにかくこの部分にはかなりお金がかかった構造となっており、今後はガイドベーンではなくランナベーンの可変を中心とする開発方向性に入るかもしれません。

そのような検討を行うためにも今回の水力発電所の運転が始まったあとでも各種の実験を加えて最高の発電装置となるように開発は進めます。

プロペラ水車ランナ(回転する動翼)の完成

近頃一連でご紹介しています大分県内に建設中の小型水力発電所に設置する水車発電機用プロペラ水車の部品として今日は、回転する動翼(水車ではこれをランナといいます) の完成している様子を載せてみます。

プロペラ水車ランナ(回転する動翼)1

プロペラ水車ランナです。

ピッチ(取付角度)を変更できる黄銅系合金製のピカピカの羽根が5枚、これも黄銅系合金製の球面ボスに取り付けられています。

運転中はこのブレードの取付角度は変更できませんが、水車を分解点検する場合には角度を手動で可変出来るので、最高効率運転方式をいろいろと試してみることも可能です。
5枚ブレードの横には、円錐形のスピナーが置いてあります。

プロペラ水車ランナ(回転する動翼)2

プロペラランナを横から見たものですが、手前の羽根の断面が翼型になっているのが分かっていただけると思います。

手前の翼型からボス部までに翼型の異なる断面が滑らかに変化しながら続いており、また翼型自体の設定角度も異なるためブレード全体がねじれています。

このような翼型があるために、相対速度にて翼に対して入る流れが翼に揚力を生んで 回転するという考え方も出来ますが、もうひとつの考え方としては翼間の流れを中心に考えて翼間を流れた水がそこから流出する際の反動で翼が回転するという運動量の変化による考え方もありますが、自分的には内部流れとしての翼間流れ重視の考え方で設計を行います。

そうすると重要なパラメーターは、速度ベクトルの変化を翼がいかに生み出すかということになり、解析での注目点も速度変化が設計意図どおりになっているかということになるわけです。

プロペラ水車ランナ(回転する動翼)3

ランナにスピナーをかぶせてみたものです。
太いスピナーとなっているのも、来年度の研究でこのスピナー内にランナ羽根ピッチ可変機構を組み込み実験することを想定しているからです。そして可変ピッチ用アクチュエーターも出来れば電動で設計して、連続した滑らかな制御による年間発電量の最大化実験を行います。