水力発電機事例

胴型ケーシング式フランシス水車発電機の据付写真を説明

弊社にて過去に製作・据付した水力発電機の数多い写真の中から、今日は小型の胴型ケーシング式フランシス水車発電機の写真を見ながら説明を致します。

次の写真が胴型ケーシング式フランシス水車発電機が据え付けられ試運転調整をしている写真です。

胴型ケーシング式フランシス水車発電機

写真の中で手前が発電機となります。

そしてこの発電機はVベルトによりタービンから駆動させられていますが、実はこのVベルト伝達装置は増速ではなく水車発電機では稀有な例となる減速となっています。

Vベルト伝導が減速となった理由としては、まず水車に作用する水量と落差の組合せがフランシス水車では少々高速となるものであり、発電機も出来れば耐久性を考えて4極のものを採用したかったので、その組み合わせでは減速となってしまったというところです。

次に写真右奥の水車本体をご覧頂くと、これは胴型ケーシングを持つフランシス水車となっています。
胴型ケーシングとは円筒型ケーシングのことであり、スパイラルケーシングに対して製作費が廉価となるので採用しています。
ケーシングは廉価としても、フランシス水車の大きな有利点となる可変ガイドベーン機構部はちゃんと採用しており、写真中にも分かりにくいかもしれませんが、リンクモーション部が錆びず潤滑性の良い銅系材料で構成されているのをご覧ください。

この可変ガイドベーン部が電動アクチュエーターにて上水面一定制御を常に行い、年間の流量変動があっても上水面が変化することなく、水の落差エネルギーをギリギリまで有効に使います。

気になる点としては、水車の羽根設計をより工夫して、水車と発電機を直結としてメンテナンスを少なくするようにすべきであったことです。

水車本体の廉価化を考えれば、上水面一定制御の為の複雑な可変ガイドベーンリンク機構などはないほうが良いですが、水力発電所の運転で年間発電量を最大化して自然エネルギーを無駄なく使うことを考えれば、可変ガイドベーン機構は必須の部分と言えましょう。

50KW以下の水力発電は直流発電が良いのかもしれない

小型の水力発電を考えた場合に、特に50KW以下の発電出力では、水力タービンに付ける発電機は直流の出力が出るものが良いのかもしれないと最近思っています。
直流の発電機としては、直接直流が出る発電機や交流出力を発電機付属のコンバーターで直流に変化するタイプが考えられます。

水車発電機

この水車発電機は、水力タービンは渦巻きケーシング型フランシス水車であり、発電機は直流発電機の2KW出力クラスが付けられています。これはある工場のパイプライン残圧を有効利用しているものです。
水力タービンのガイドベーンは可動式で流量調整が可能です。
この渦巻きケーシングは、相当に昔からあったケーシング木型を使って作ったのを思い出します。

なぜ直流出力の発電機が有利かと考えると、最近太陽光発電用に多数のパワーコンディショナーが販売されインバーターと系統連係機能、保護機能などがついて大変購入し易い価格となっているので、これに水車発電機からの直流出力を供給すれば系統連携マイクロ水力発電所として短期間で立ち上げが可能となるでしょう。

その市販パワーコンディショナーの最大容量が今は50KWぐらいと認識していますが、将来さらに大きな容量になるようです。
水車発電機で直流で発電して、今後どんどん安くなる大容量バッテリーに充電すれば、一日での時間的な自己消費分の電力負荷に合わせた高効率運転も可能になると思います。
さらに、水車発電機が直流を出力する場合は、水力タービンの回転数を比較的自由に調整出来るため、年間の流量変動に対しても高効率運転を常に行えることとなります。

以前は直流の発電など特別な場合として認識していましたが、現在の急速なパワーエレクトロニクスの進歩と、装置の標準化・廉価化により、今後は直流発電が大きく躍進する時代が来るのかもしれません。

ペルトン水車の運転状態を実際に見る為の工夫と考察

ペルトン水車ペルトン水車

ペルトン水車が実際に運転している状態、すなわちノズルからのジェット水がランナバケットにどのように作用して
水エネルギーを回転エネルギーに変換しているのか、これは自分でペルトン水車を設計したならばぜひ見てみたい状況です。
そこで自分は、主軸片持ちのペルトン水車を設計する時に、羽根手前のケーシングの蓋は鉄板ではなく
アクリル板を使用することで運転状態が見えるように工夫をしていました。

ペルトン水車 据え付け

左図は、アクリル窓付きペルトン水車を発電小屋に据え付けて試運転を行っている写真ですが、ではアクリル窓を通して見える
ペルトンバケットに作用する水の様子はどのようになれば最も効率が高い状態での運転なのかお話ししたいと思います。

最も水のエネルギーを無駄なく回転エネルギーに変換した後の水は、ランナバケットから左右真横に振り分けるように落ちて流れる状態、これが最高効率状態となります。
つまり、まっすぐ飛んできた水ジェットが進行方向と90度に転向されるように羽根が作用すれば良いのです。

それに対して、水車バケットが速く回転しすぎている状態では水はバケットを素通りするように直進方向への水の割合が多くなります。
また逆に、水車バケットが遅く回転しすぎている場合には水は進行方向と逆方向に戻る状態となってしまいます。
一見進行方向と逆に跳ね返されるような水流となれば有効に水が羽根に作用しているように感じるかもしれませんが、逆跳ね帰りはエネルギーを浪費する状態となります。
やはりタービン関係を設計する人は、タービンの中の状態を実際に見て、流体のふるまいを理解していきたい欲求が強いでしょう。 その為のいろんな工夫が既にあります。

自然エネルギー利用にタービンを使用する場合は、自然のものだからこその流体のふるまいを
無理・無駄なく利用できるように、良く理論を勉強することと、実際の経験を充分に積むことが重要と思います。
それには長い年月がかかってしまいますが。

高効率上掛け水車性能実験の様子です

今日は午前中から、昨日ご紹介した茨城県の筑波近辺にある非常に広い屋内実験場で、新型高効率上掛け水車の性能実験の様子を見ていました。 これが下流側の水路から見た新型上掛け水車が運転されている様子です。

高効率上掛け水車性能実験

斜め横から回っている上掛け水車を見たものです。
まわりに水が飛び散らないような養生がしてあるため、少々見にくい状態とはなっています。

高効率上掛け水車性能実験2

これは、水路から上掛け水車に流れ込む水の状態を示していますが、流れ込み流速を充分に消せてない部分もあり、外側に跳ねる流れが見えています。
しかし、それらの跳ね水の量は意外と少なく、水車効率は高い値を示していたので、今回の高効率上掛水車設計は成功していると思いました。

この水車以外にあと2種類設計してあるので、その結果が分かるのはもう少し時間がかかりますが、実験結果を楽しみに待ちたいと思います。