水力発電機事例

バレル型ケーシング採用フランシス式水力タービン発電機

バレル型ケーシング採用フランシス式水力タービン発電機

発電出力30KWのマイクロ水力発電所設置例をご紹介します。
水力タービン発電機の型式は、バレル型ケーシング採用フランシス式水力タービン発電機となります。
バレル型とは円筒形のケーシングのことを示し、渦巻き型ケーシングを使用するよりも安価にケーシングを製作出来るので自分の得意なケーシング設計方式です。
この発電所は、落差が30m以上取れる場所なので、発電出力の割にはタービンは小型となっています。

また落差が高いことによりタービンの回転数も速くなるため、減速としてVベルトを使用して発電機に動力を伝えています。
その使用している水は、トンネル工事時に出てきた地下からの湧水を使用しているので、年間を通して安定した水量が確保出来る品質の高い自然エネルギー発電となります。

水力発電機のランナ(羽根)部分

水力発電機のランナ(羽根)部分

フランシス式水力タービンのランナ(動翼)の、鋳造出来上がりのものが手前の羽根で、 羽根部を仕上げたものが奥の羽根となります。
木型による鋳造すぐのフランシス型羽根は、羽根間を形成する中子の関係で羽根出口面に写真のような非常に薄いバリの膜が出てしまいますので、それを丁寧に取り除いて最終翼面形状まで手間をかけて仕上げなければなりません。

ペルトン水力タービンのバケット型羽根の鋳造

多数のペルトン水力タービンのバケット型羽根の鋳造上がり状態と手前に大変小型のフランシス型タービン羽根がこれも鋳造上がりで置いてあるところを撮ったものです。
ペルトン型水車(タービン)の動翼であるバケット型翼部は、ランナ全体を一度に鋳造するのは難しいところもあり、また翼仕上げが行い易いので、多数のバケットを仕上げ後に組み立てる方式を取っていました。

フランシス型タービンランナ(動翼)の素材

最後は、フランシス型タービンランナ(動翼)の素材が砲金系の材料を使って仕上げた状態のものとなっています。

フランシス型タービンランナの仕上げ加工において最も困難なところは、羽根の周りについている円筒状のバンドと呼ばれている部分があるために、羽根と羽根の重なり部分に機械仕上げを行うことが難しくなり、どうしても手仕上げで行う必要があり、 時間と労力を大変使わなければならないところです。

現在は5軸加工機の加工能力も相当に上がっているので、手仕上げに頼ることを無くすことも出来そうに思っています。

小型ペルトン水車発電装置

小型ペルトン水車発電機を現地に据え付けて、これから運転を始めようとしている様子です。

小型ペルトン水車発電装置1

お酒がありますが、これは水力発電の運転の最初では
水神様にお神酒を捧げて無事な運転を願うということをしています。

小型ペルトン水車発電装置2

このペルトン水車は、中のバケット型ランナ動翼が運転中でも見れるように 手前にアクリルのふたを取り付けていますので、運転を始めるとなかなか面白いですし、もし運転中に水車にごみ詰まりその他の不具合があった場合もすぐにわかります。
そのようなアクリル窓を付けるように設計するのは、私のひとつのこだわりで、それが可能なのも片持ち式のランナとして設計しているからです。

フランシス式水車発電装置

フランシス式水車発電装置1 フランシス式水車発電装置2

水力発電の設計・製作・据付・試運転事例として、円筒型のケーシングを持つフランシス式水車発電装置をご紹介します。
上写真が据え付けた直後の水力発電機を撮ったものです。
本体がピカピカの状態で、これから長く運転して電気を供給する機械として、たのもしさを感じるショットとなっています。

円筒ケーシングとわざわざ表現している意味は、一般的にフランシス型水車はスパイラル型ケーシングという渦巻き型のケーシングとすることが多くなるので、それと異なるケーシング形状を強調しています。

円筒形ケーシングの利点として写真をご覧頂くと分かるように、水車入口配管の割と大きめのパイプに対しても水車ケーシングをかなり小さくすることが出来ています。
これをもしスパイラル型にすれば非常に大きく高価なものとなり、全体機械費を上昇させることとなるのです。
水車発電機全体としては、据付時点でコンパクトに納まっているのがご理解頂けると思います。
水車発電機を保護する建屋はこの場合木造製のかなり簡素な作りとなっていますが、風雨を凌げれば、木製もなかなか風情があって良いと思います。

フランシス式水車発電装置3

そして最後のこの写真は、フランシス水車の流量調整機構であるガイドベーン手動調整部を見たものです。

このガイドベーン手動調整部はかなり複雑な機構となるので、小型の水力発電ではいらないとも思われるかもしれませんが、年間の流量変動に対して上部取水水面を一定の落差確保の為に一定に保つ為には必須の部分とも言えます。

この流量調整用ガイドベーン調整機構の代わりに、水車入口の入口弁にて一定水位運転を行うことも可能ですが、それを行うと水車の効率が落ち、せっかくの自然エネルギーをかなり損失してしまうので、やはり水車本体での流量調整構造をお勧め致します。

ペルトン水車400KW発電出力

ペルトン水車400KW発電出力1

この水力発電所は、地下にある地下式水力発電所となります。
発電出力が最大400KWのペルトン水車発電機が据え付けられており、実は地下の湧水を落差300mほどの更に下までパイプで導水して、ペルトン水車を30気圧ほどの噴射ジェットで駆動して発電しています。
発電機の周りは、完全に覆われた岩であり、縦横に坑道が走っている中に発電所部分が存在します。

ペルトン水車400KW発電出力2

導水鉄管からペルトン水車に噴射する部分の入口弁やニードル弁の調整機構などを写しています。
この部分の手前の圧力配管は落差300mを坑道の中を左右に這わせながらかなり難しい状態で設置されています。
この圧力導水路配管の調査も私が行い、全体の配管計画を行ったのを思い出します。
調査に坑道を上り下りするのがなかなか大変で息が上がったのが思い出されます。

ペルトン水車400KW発電出力3

ペルトン水車本体部外観が上写真ですが、このペルトン水車に作用する水ジェットエネルギーは
最大500馬力ぐらいとなるので、頑丈にケーシングを作る必要があり、写真のようなリブ多用溶接構造となっています。

ペルトン水車400KW発電出力4

工場で本体の組上がりが終了した状態となっています。
400KWの水力発電所となると、水力発電の呼び方の範疇としては
「ミニ水力発電」となり、マイクロ水力発電(100KWまで)よりも大型の本格的な発電所となります。