ファン・ブロワー設計

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介1

当社開発の軸流ファンを設計する為のソフトウェアについてご紹介致します。
軸流ファンとは、プロペラのような羽根を持つタイプの大風量・低圧に適したファンとなります。
例えば、PCの冷却ファン・空調用ファン・換気用ファンなど広く使われています。 

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介2

左図は、軸流ファン設計ソフトを起動したときの画面ショットです。プログラム自体は、ウィンドウズ上で動作するもので、C++言語で作られています。

画面上左部分が計算結果値を表示し、右部分が羽根3次元形状を表示する領域となっています。

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介3

ファン設計を開始すると左図ウインドウが現れ、ファン設計仕様値としてファン直径・風量・静圧・回転数を入力します。その他、羽根枚数・ボス比・空気密度・翼回転方向などを選択することが出来ます。

そして計算ボタンを押すと、比速度・係数・全圧・効率・軸動力など基本値を自動計算します。

更に、翼チップ位置での主要値である周速・軸流速度・流量係数・流れ角・相対速度などを自動計算して示すので、それにより無理がないかなどの判断をします。

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介4

2番目の過程として、使用する翼断面形状を既存の翼型の中から選定します。

翼型には、NACA系翼型の他に、平板翼が選べるように当社独自の翼型を選定出来るようにしていると共に、ボス・中間・チップで翼型を変えることが出来ます。

この翼型により、揚力係数・抗力係数・翼素効率・ソリディティーなどが計算され、翼素断面上での入口出口速度三角形・迎い角・弦長・トルクなどが計算されます。 

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介5

そのような翼型に関するデータは、左図のようにグラフデータベースとして設計データベースに格納されていて、常に最適値をプログラムが自動判断して計算実行過程で示してくれますので、このソフトウェアを使う途中で迷うことは全くありません。

それで、通常の設計時間は約5分ぐらいで優秀な軸流ファンが設計可能なのが、このプログラムのすごいところだと自分で言うのも恥ずかしいですが思っております。

更に、それらの設計に必要な設計係数値は全て変更が出来るようになっていますから、設計になれたエンジニアであればいかようにも変更が出来るようになっています。

この続きは、また明日にでもご紹介致します。

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介 続き

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介 続き1

当社にて開発した左図のような軸流ファン設計ソフトウェアの内容についてご紹介致します。

軸流ファンは、冷却用や換気用など広く使用されているファンタイプです。

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介 続き2

ファンに用いる翼型をボスからチップまで決めた後は、左図のようにファンを真正面から見た形である平面形を決めていく過程です。

平面形は重要で、最近では羽根前縁のチップ側をかなり回転方向に前進させる左図のような前進翼型が良く使われます。

このような前進型にする利点としては、団扇型羽根に比較して騒音を減らすことが出来るところです。

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介 続き3

そして次に決めるのは、軸流ファン羽根を真横から見た形である側面の子午面形状となります。

翼の子午面形状をチップ側が入口方向に前進するような左図形状とすると翼の空気のかき込み量が増えると共に、騒音・効率の面でも有利になります。

その軸方向への各翼断面シフト量をこの画面では調整出来るのです。 

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介 続き4

最後の過程として、軸流ファン翼のボス部直径やボス部の長さなどを決めるとことで、最終のファン3次元形状が出来上がり画面に表示されます。

この設計で良ければ、設計データをテキストファイルやDXFファイル、そしてSTLファイルなどで保存して終了です。

ここまでが速いと約5分で出来てしまいます。 

設計された軸流羽根の形状が、次のようにリアルタイム3Dグラフィックで表示されます。

軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介 続き5軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介 続き6軸流ファン設計用ソフトウェアの紹介 続き7

クロスフローファン再解析用形状修正

クロスフローファン再解析用形状修正1クロスフローファン再解析用形状修正2

まず、クロスフローファン羽根に輪切り状に仕切りを2ヶ所加え、実機での補強効果と流体の整流効果の両方を狙います。

そして、エアコンなどの熱交換器を持つ機器の吸込み・吐き出し配置に合うように、吸い込み口形状と吐き出し口形状の変更を行っています。

クロスフローファン再解析用形状修正3 クロスフローファン再解析用形状修正4

その流路形状を真横から見ると左図のようになり、広い流入部、吐き出し口の延長・急角度化、ケーシング舌部の丸み化など施しています。

そして、吐き出し口を正面から見ると、羽根部横幅に対して出口幅を小さくして、羽根端の流れの不安定部が発生しにくいように配慮しました。 これにより、性能解析を進めてみます。

2重反転軸流ファンの構想 その1

軸流ファンで静翼の無いタイプは、どうしてもファン後方の旋回流が大きく発生して、その旋回エネルギーはほとんど圧力回復に寄与していないようです。

つまり静翼の無い軸流ファンは、その後方に無駄なエネルギーをたくさん捨てている為、効率も低くなり、現在のような省エネ時代ではもったいないタイプと言えそうです。

また、1段の軸流ファンはなかなか圧力を高く取れないため、それが軸流ファンの適用範囲をせまくしています。

2重反転軸流ファンの構想 その1

そこで、軸流ファンを2台並べ、その回転方向を逆とする2重反転ファンがあり、左図のような構成となっています。

この二重反転ファンでは、軸方向の長さが長くなりますが、利点が非常にあり、まず、静翼のない単段軸流ファンに比べ圧倒的に効率が高くなるところです。これは、初段軸流ファン動翼が作る旋回流を2段目が吸収して、更に2段目後方の旋回流が出にくいように設計出来るためです。

そして、これらの旋回流発生の抑制により、無駄に捨てられていた旋回エネルギーが圧力回復に回される為、単段軸流ファンに比べてかなりの高圧を確保出来るようになります。

これらの利点を証明するために、解析モデルを設計して検証して行こうと思っています。

ただ、今回の計画は複雑な構造となりすぎたので、もっと単純化したプランを考えて見ます。

2重反転軸流ファンの速度三角形の考察 その1

2重反転軸流ファンの速度三角形の考察1

これが、2重反転軸流ファンの初段と2段目の速度三角形の関係を考えてみた速度ベクトル線図となります。

この考察を行うに当たっての本日の初期条件としては、次のように考えて進めました。

使用気体は圧縮されず、初段と2段の間でも体積変化はない。そして、軸方向への通路面積変化もないため、初段入口から2段出口までの軸方向流速(メリディアン流速)は変化しない。また、入口予旋回ないため、V1=V2m=V3m=V4mとなっています。さらに、2段目出口では、旋回流を完全になくす様に、V4=V4mと軸方向に流出する。もうひとつの仮定は、初段羽根と2段目羽根のチップ径・ボス径・回転数は等しいので、全ての等流量断面上翼型での入口・出口での周方向速度は、初段と2段で回転方向こそ逆だが大きさ一定である。

2重反転軸流ファンの速度三角形の考察2

これが今回のもっとも重要な仮定とした、2段目翼出口での速度三角形を示しており、V4速度つまり出口絶対速度は、軸方向に旋回成分無く出て行っているとした条件を示します。
2断面翼の出口も一般的な翼型の出口角度β2を少ない角度として持つものとして仮定しています。つまりここから逆に入口方向に速度三角形を求めていく方式を今回はとりました。

2重反転軸流ファンの速度三角形の考察3

これは、2段目動翼の入口部分の速度三角形と同時に1段目動翼出口部分の速度三角形を示しています。

2段目動翼入口では、1段目動翼からの旋回成分を持った絶対速度流れが流入してくる為、動翼入口速度三角形での相対速度が大変大きくなるという結果となります。

この2段目動翼入口での相対速度は、2段目動翼出口ではかなり小さくなるため、相対速度の減速割合が大きすぎる翼間流れとなり、それは圧力上昇に寄与すると思われますが、損失も大きくなり効率の低下が予想されます。

2重反転軸流ファンの速度三角形の考察4

そしてこれが、1段目動翼周りの速度三角形を示しますが、1段目動翼出口の絶対速度は軸方向を向くこととなり、動翼入口の速度三角形との関係で生成される翼型は、転向角大きく、弦長短く、翼間での相対速度減速比も大きいという、非常に不利な翼型とならざるを得なくなってしまいました。

そして、この翼型は2段目翼型と大きく異なる為、一般的な2重反転翼で見られるような、前後の翼型が近いものを使用することは出来なくなっています。

これらの結果から、上記の仮定で2重反転翼の速度三角形を形成していくことは適切ではなく、例えば初段動翼の回転数を2段目の2倍程度にすれば、かなり近い翼型を採用することも可能となり、さらに同形な翼型を使用するためには、2段目出口の旋回成分をある程度容認する必要があると推測できます。