ファン・ブロワー設計

軸流ファンの設計検討

軸流ファンの設計検討1

このような要求の軸流ファンを設計するにあたっては、当社では自社製作の軸流ファン設計用ソフトを持っていますので、それを使用して概略検討を条件を変えながら複数回行って、その中から最適なものを選定していくという手法をとっています。 

その結果、上図のように前進角をもつ少しスパン方向にねじりの強い羽根形状の軸流ファンとなりました。

この流力形状を元に実際の製作するファン形状へと3次元CADを使用して完成していきます。

クロスフローファンとシロッコファンの流力設計例

以前に設計したクロスフローファンとシロッコファンの事例をご紹介します。

クロスフローファンとシロッコファンの流力設計例1

これは、自社開発の設計ツールで流力設計を行ったクロスフローファンの設計形状を示しています。

エアコンなどに使われるような、かなり横長のクロスフローファンです。
下側が噴き出し口で、羽根がむき出しで見えているところが吸入口となります。 

クロスフローファンとシロッコファンの流力設計例2

左図は、シロッコファンを同じように自社設計ツールで流力設計を行っものです。
一般的な角型の渦巻きケーシングを持つ、かなり厚みのある大流量タイプのシロッコファンとなります。
いわゆる空調用・冷却用などのブロワーと呼ばれているタイプです。

コウモリ羽根のような軸流ファンブレードの設計

空調用や冷却用に使われる大風量で低圧力の軸流ファン(プロペラファンともいいますが)は騒音が問題となる場合も多くあります。

コウモリ羽根のような軸流ファンブレードの設計1

そのような騒音を低下させる羽根=ブレードをもつ色々なタイプの羽根形状が研究されていますが、その中の一つの方向性として左図のような、まるでコウモリの羽根のような特別な形状により騒音低減を行うものがあります。

コウモリ羽根のような軸流ファンブレードの設計2

上の羽根を裏側見たところですが、このコウモリの羽根のような形状をもつ理由は、スパン方向翼断面の積み重ね時に途中で急に部分翼形状が変化することによります。
この変化により、ボスからチップに方向に流れる風をコントロールして低騒音化を図るというものです。

コウモリ羽根のような軸流ファンブレードの設計3

これは、コウモリ翼ということではなく、ボス部の翼弦長をなるべく長くしてボス部の圧力上昇への寄与率を上げて、それにより高効率化を目指すタイプの羽根形状です。

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介1

左図のような遠心式ファンの羽根=インペラを設計するソフトウェアについて今日はご紹介します。このソフトは、昨日紹介した水力タービン設計ソフトをベースに遠心ファン用として作ったため、3次元羽根をもつ高効率な遠心ファンを設計出来る設計用ソフトウェアになっています。 

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介2

遠心ファン設計ソフトにおいても、設計開始の最初に入力すべき項目は設計圧力・流量・回転数のわずか3つだけで設計が開始出来ます。

仕様入力後は、設計データべース、最適判断計算アルゴリズム、準3次元流れ解析などによりほとんど自動で設計が進んでいきますので、本当に短時間で例えば10分ぐらいで優秀な遠心ファンインペラが設計出来ます。 

この設計データベースでは、係数値などは比速度を基準として作られており、相当に高比速度でも設計可能のため、遠心ファンの高速・小型化を達成出来る設計ソフトウェアとなっています。

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介3

左図は、基本設計計算を進める部分の画面となります。

基本設計とは、効率・羽根径・枚数・出口角度・羽根厚み・すべり、などを対話式に決めながら必要仕様を満足するように羽根子午面形状を元に進めていきます。

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介4

その基本設計による全ての計算値が左図のように記録されて表示されていきます。

特に子午面形状値は、詳しい係数値の一覧で記録され、実際に製造可能な形状を作成していくのです。 

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介5

その子午面形状を図で確認するとともに、もし変更したい時は全ての値を変更できるようにしているのが、左図の画面です。

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介6

そして生成された遠心ファン子午面形状に、準3次元流れ解析の基本流線を9本生成して流れ計算を始める準備をします。

それが左図です。遠心ファン羽根なら流線9本は少し多いかもしれません。  

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介 続き

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介 続き1

左図のような遠心ファンインペラを設計する為に弊社にて作成しました遠心ファン羽根設計ソフトウェアのご紹介続きです。

ファン羽根は、完全な3次元羽根であり、高効率な性能を持ちます。

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介 続き2

前回は、ファンインペラ子午面断面形状で準3次元流れ解析を行う為の基本流線9本を生成するところまで見て頂きましたが、今日はその続きとして各流線がブレードの入口縁・出口縁と交差する位置での速度三角形を自動計算した結果の画面が左図のようになります。遠心型ファン羽根なので、羽根出口位置での速度三角形はどの流線でもほとんど変わりませんが、入口速度三角形は各流線毎に衝突損失の最も少ないものとして表示されます。

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介 続き3

翼の入口縁・出口縁位置が出れば、各流線が沿う流れ円錐曲面状での3次元流線形状を作るために、まず3次元流線を平面に等角写像する方法で最適な流線上羽根角β分布・翼間流れを最適とする翼巻き角・翼必要出口角度などを考慮しながら、更に最も困難な各3次元流線が最終的に生成する羽根曲面の滑らかささえもコントロールしながら自動的に翼形状を左図のように生成していきます。

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介 続き4

前の段階で既に写像面上での流線から逆写像にて3次元空間上の3次元流線座標に各部分翼中心線が変換されているので、それにより左図のように翼中心線による3次元羽根形状が生成・表示されます。この表示もOpenGLによるリアルタイム表示なので、回転して細かく確認可能です。

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介 続き5

翼中心による羽根3次元形状を確認してもし翼形状を変更する必要性がある場合は、左図のような平面への流線展開図を微妙に係数値などで調整することにより、これもリアルタイムに翼中心線形状に変更が反映されます。

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介 続き6

翼中心線3次元形状が決まったあとは、中心線に実際の翼厚みを付け実物の羽根としていくところです。

左図は、一定厚みの板羽根を指示して、各部分翼形状を決めたところです。

遠心ファン設計ソフトウェアの紹介 続き7

写像平面上で翼に付けられた厚み線は、逆写像によりやはり3次元座標値に変換され、それにより左図のように最終3次元羽根形状となります。

入口はインデューサーのように軸方向から流入する気体を的確に捉え、それを段々と滑らかに遠心方向に転向していくこの羽根、理想的です。