ファン・ブロワー設計

2次元羽根ターボファンの設計事例

2次元羽根ターボファンの設計事例

最近、ターボ型ファン設計の引き合いが少しづつ増えてきましたので、今日はその設計事例を紹介します。

ターボ型ファンとは、主に遠心力を利用して送風を作るファンですが、そのような遠心ファンには、主にターボ型・シロッコ型の2つの種類があり、シロッコ型は翼が非常に短く枚数が多い構造であり、ターボ型は翼が長く枚数が少ない構造となっています。

2つの特性の違いとしては、シロッコ型は羽根出口角度が回転方向を向くと言う形状の為、直径が小さくても圧力を高く出せ、しかも風量も多く出せるという理想的な特徴を持ちますが、欠点として効率が低く騒音が高くなります。それに対しターボ型は、同直径ならシロッコより圧力が低く、風量も少ないですが、効率が高く静かであるという特徴が現在の機器の要求を満たすので採用が増えています。圧力が低いのは回転数で稼げます。

この事例は、ファン入口部に食い込むようにモーターが有り、それで平板形の2次元ターボファン翼を回転させています。そして羽根枚数は少なく、出口角度も小さくなっており、高風量の高比速度型となっています。

光造形(ラピッドプロトタイピング)で製作した軸流ファン羽根

流体機械羽根製造方法のひとつとして、小型のファン羽根などの試作に最適な光造形によるラピッドプロトタイプで製作した軸流ファン羽根が部屋に有りましたので、写真を撮り載せてみました。

光造形(ラピッドプロトタイピング)で製作した軸流ファン羽根

これは、直径が110mm程度の軸流ファンの羽根です。用途は、電気機器などの冷却用となります。実はこれが光造形により作られているのですが、光造形とは液体の樹脂にレーザー光をあて硬化させた製品積層形状を作る方法です。

光造形(ラピッドプロトタイピング)で製作した軸流ファン羽根2

積層形状で出来上がるため、普通は曲面には段々が出来、滑らかな面とならないのですが、左の羽根では細かい段々面に厚めの塗装を吹きつけ、その後更に磨いてツルツルな羽根曲面としています。これでは、そのまま運転すると強度が足らない為、これを元型として真空注型で試験用羽根を10個作り実験しています。

高速ターボブロワーの設計検討

数万回転という回転数の高速ターボブロワーについて現在検討を行っています。

先日までポンプとタービン関係の検討を行っていたと思ったら、今度は空気関係の検討となり、頭を切り替えるのがなかなか大変ではあります。

やはり、モーターの高速化は著しいということを益々実感するこのごろです。これも電気自動車用の永久磁石式モーターの開発が引き金になっていると思うのですが、まだまだ超高速回転モーターは高価な為に気軽に使えないのが少し残念です。

高速ターボブロワーの設計検討1

左図は、超高速タイプターボブロワーとしてかなり前に設計した羽根ですが、やはり比速度も高速化しているので羽根入口は3次元形状をしています。高速化すると羽根入口相対速度の顕著な増加により羽根入口縁形状の3次元化は必須の事項ではないでしょうか。

大型のファン

パソコン用を中心に小型の軸流ファンを色々と設計してきましたが、大きな軸流ファンも設計しています。

大型のファン1

左がその大きなファンであり、直径が900mmもあります。用途は空調用などの冷却塔に使われるファンですが、客先から出てきた設計上の要求は非常に高く、日本一の効率・これまでにない静かさというのもので、達成するためにかなり苦労した設計でもありました。

しかし、高効率と静粛性の達成により、これまでに無い省エネ機器として客先の商品が脚光を浴び、ひそかに嬉しく思ったものです。

永久磁石式高速モータ利用遠心ファンの研究

永久磁石式などの超高速モーターを利用した小型・大流量・高圧の遠心式ファンについて研究を開始しました。
その用途は、機器用空気源・プラント用各種ガス供給源・燃焼用空気供給などを考えています。

永久磁石式高速モータ利用遠心ファンの研究1

小型高速化の利点は、まずコンパクト化による取扱の良さ・材料の減少・価格の安さなどと思います。左は、その為に数万回転で回せるように比速度を最高効率付近を使用し、遠心力に耐えることが出来る簡素な構造・インデューサー採用による高効率化を考えています。この形状が良いのか更に検討している途中です。

遠心ファン用インデューサー形状の設計

最近、遠心ファンの効率を上げる為のインデューサー(前置羽根:軸方向からの流入を遠心方向にスムーズに導く羽根)の最適設計を試していましたが、次のような設計を行ってみました。

遠心ファン用インデューサー形状の設計1

左図のような設計が出来上がりましたが、これ単体が遠心ファン羽根ということではなく、遠心ファンの2次元形状羽根につながるように特に形状を工夫したインデューサーとなります。まるで、見た目は斜流ファンか高比速度遠心ファンのようですが。

遠心ファン用インデューサー形状の設計2

今回の設計では、このインデューサー羽根の後に2次元遠心羽根がつながる為に、少しインデューサーの羽根巻き角を少なくしてみました。しかし、チップ側はスムーズなつながりとなりましたが、ボス側で急な曲率が出てしまう状況となった為、次回は羽根巻き角をもう少し増やして見ようと思っています。

遠心ファン比速度と子午面形状の関係

遠心ファン比速度と子午面形状の関係1

比速度とは、ある決められた直径と回転数を持つファンに対して、風量を多く流せる場合を比速度が大きいと呼び、風量が少なくしか流せない場合を比速度が小さいと言います。そして子午面形状とは、羽根を軸に沿って切断した場合の空気が流れる流路の形状を示し、比速度が小さいものはその流路が狭くなっていますし、比速度大のものは流路が広くなります。 

クロスフローファンについて

クロスフローファンが良く使われる身近な電気機器がエアコンだと思います。エアコンに要求される風の吹き出しは、横幅広く吹き出せ、風量も有り、圧力も割りと高く取れるようなファンとなり、まさにクロスフローファンがその用途に最適です。

クロスフローファン1

左図のようにクロスフローファンは、奥行きがあるつまり横長であり、そのファン羽根円筒面のある範囲から空気を吸い込み、そしてその円筒面のある範囲から吹き出すという構造です。左図なら、右側が吸込みで上面が吹き出しとなります。その羽根内での空気の通り道は、完全に羽根内側を横断するため、空気に羽根は2回作用を施しています。