ターボドリル設計

ターボドリルによるマントル掘削計画の目的とは

弊社が開発中の特殊掘削装置ターボドリルによってマントル掘削が可能となるなら、その掘削がもたらす成果は次の図が示しています。

ターボドリル開発設計概要画像

目的を重要な順番に揚げるとすれば

1.未踏のマントルに到達してマントルを採取する。
2.地震の探査精度を上げる為に、地震の巣と言える場所に深い穴を掘りセンサーを配置する。
3.メタンハイドレートなどの海底下資源の状況を探査する。

自分としては、この探査したメタンハイドレートへの
タコ足状採取用水平多数穴掘削や孔内での
メタンハイドレート採取機器駆動用としてターボドリルは大変に役に立つと思っています。

4.地殻内の生命を探査する。これは学術的に大変面白いものと考えています。
5.掘削時の地層を全て採取する事で、地球の過去環境などが解明される。

この最後の地層による過去環境解明は、温暖化と環境の関係などに詳しい指針を与えてくれるのではないでしょうか。

以上の重要な目的を果たすマントル掘削計画への当社貢献も日々進んでいます。

メタンハイドレート掘削にタービンモータードリルは最適である

国産の新エネルギーとして期待されているメタンハイドレートの掘削には将来、その水平掘り機能から弊社が開発中のタービンモータードリルが使われるようになるでしょう。

その開発中タービンモータードリルのタービン部品が次のようなものとなります。

ターボドリル開発設計概要画像

掘削パイプ先端部に付けられるタービンモーターによる強力な動力で
掘削ビットが回転掘削する方法であれば、掘削パイプの全体を
回転させる必要がなくなり、指向性掘削可能というその特性により、水平にでも掘削途中から方向を変えた掘削が可能となります。
そうすれば、地層に横に広く分布するメタンハイドレートをひとつの縦穴掘削孔から
横方向に蛸足状にタービンモータードリルにて掘削可能となるので、
メタンハイドレートの掘削採取能力は飛躍的に高まり、採算性上昇の大きな進展となります。

またタービンモーター自体の回転動力を掘削先端部でうまく利用してやることで、メタンハイドレート採取に必要な作業を
その掘削先端部で行うことが可能となり、採取方法の飛躍的な進展をもたらすでしょう。

以上のように、弊社が現在開発中のタービンモータードリルはまさにメタンハイドレート開発の為には非常に重要な機械となります。

今後もメタンハイドレート利用の最終実用化に向けて、タービンモータードリルの開発を鋭意続けてまいります。

メタンハイドレート掘削用タービンドリルに使うタービン部分

メタンハイドレート掘削において、ひとつの縦孔から蛸足状に何本もの水平掘り掘削を行い広い範囲のメタンハイドレートを採取可能とするためには、指向性掘削可能なタービンドリルは必須のものとなります。
そのメタンハイドレート掘削用タービンドリルのタービン部分は次の図のような機械となります。

ウインドファーム解析1

図のように多数のタービン羽根が多段にならび、それぞれの羽根が比較的高速回転することで動力を発生して、その集合により大きな動力を主軸に発生します。
羽根部を拡大してみると次の図のようになります。

ウインドファーム解析2

性能を高くして少しでも馬力が出るように、その多段羽根の形状は緻密に流力設計を行って性能優秀な羽根としています。
更に多段に羽根を使用する場合には、ある段を出た流れが次の段の流れ状態に最適に流入するように配慮する必要もあり、なかなかに難しい設計となっています。
また、回転数とそれにより変化する圧力の問題もあり、細かいことですが回転数が大幅に変化しても圧力の変化が少ない羽根形状を考えたことにより、運転制御をし易くなっていたりします。
また、掘削では回り始めのトルクが非常に大切であり、これがある一定値以上ないと掘削を開始することが出来ないので、その必要掘削トルク以上必ず廻り始めで出るように、そこも羽根設計にて工夫を加えています。
以上のことより、ただ性能の良い羽根を設計するだけでなく、数々の必要性能を同時に満たすようにタービン設計を行うのは、なかなかに難しいことなのですが、なんとか出来ました。そこは少し自慢ではあります。

マントル掘削用ターボドリルのパイプ継ぎ手部 API規格とJIS規格

マントル掘削用ターボドリルの開発設計は今年も続いていますが、 将来ターボドリルが取り付けられる「ちきゅう号」の既存掘削装置関係は完全に米国の石油規格(API規格)になっていて、 弊社で開発するターボドリルだけが国産ですからJIS規格となっているのです。

よって掘削用ドリルパイプもターボドリルとの継ぎ手のところまでAPI規格となっているので、 ドイルパイプとターボドリルの継ぎ手は次の図のような特殊なAPI規格部品となっています。

ウインドファーム解析1

このAPI規格ネジとの継ぎ手部以外のターボドリルケーシングパイプ継ぎ手部は次の写真のようなJIS規格ネジを採用しています。

ウインドファーム解析2

ターボドリル部分もAPI規格ネジを使えば良さそうですが、あくまでマントル掘削用ターボドリルは国産を基本としているのが 国家基幹技術で決められているためJIS規格を採用することと、実際の掘削ではターボドリルは消耗品であるので、 なるべく価格を抑えて量産するために国内の加工屋さんが造り易いJIS規格設計となっています。

またAPI規格のネジを切ろうとすれば、それ専用の高価なネジジグが必要となるのも国内でAPI規格ネジを使いにくい理由です。

よってマントル掘削が始まる時には、船上の掘削装置から先端手前までのドリルパイプは米国製、先端のターボドリルのみが国産という組み合わせになってしまいます。

これも日本が石油掘削を行ってこなかったための仕方ない装置の配置と言えましょう。

今年もターボドリルが出来ました

開発を行っているターボドリルが、次の写真のように出来ました。

ターボドリル開発設計概要画像

分割構造のタービン部をつなげていくと、強力な動力を発生するタービンモーターとなり、それが海底深くをグイグイと掘っていく深海ドリリング用ターボドリルと呼ばれる掘削装置になります。

最終的に将来はマントル掘削に使用され、特に海洋底地中深くのプレート附近の重要点掘削に使用されることとなります。

また海底深く断層附近の地震予測精度を上げるための各種掘削にも使われるでしょう。