ターボドリル設計

ターボドリル要素実験装置センサー類の設定と調整

マントル掘削用ターボドリルのタービン性能を実験するために設計・製作した「ターボドリル要素実験装置」のセンサー類を設定・調整して、データをロガーに集めて、それをノートPC上で見れるまでの作業を行いました。

ターボドリル開発設計概要画像

データロガー本体にも各種値表示用の液晶がついていますが、小さくてみにくいので、ロガーから更にノートパソコンにUSBでつなげてノートPC画面で測定値を見れるようにしています。

泥水試験場へターボドリル試験装置を移設しました

ターボドリル試験装置を、泥水による試験を行うための場所に移設する作業を行いました。
ターボドリルは非常に深い穴を掘削する機械となるので、掘った穴を保護したり、堀屑を効率良く地上に排出する為に、高圧の泥水という特別に作られた粘性のある液体を使用して運転されることとなります。
泥水といってもただの「どろみず」ではなく、非常に特殊な粘性液性質を持つように高価な材料を配合した液となっています。

ターボドリル開発設計概要画像ターボドリル開発設計概要画像

今までは装置を組立てた室内でそのまま清水を使用してターボドリル用タービンの性能を試験していました。
そして、測定した性能もほぼ予想通りで満足していたのですが、ここで次の段階として実際の泥水を使用しての性能試験を行なうこととなっています。

ターボドリル開発設計概要画像

これが泥水試験を行う場所にタービン性能試験装置を据え付けた状態となります。

泥水使用タービン試験準備を午前中に行いました

ターボドリル開発設計概要画像

制御計測盤からの測定値を 盤上に置いてあるデータロガーで受けて、右のタンクの上に載せたノートパソコンにUSB接続でリアルタイムに測定値を送信します。

測定値は、ノートパソコン画面上に起動している データー表示処理ソフトで値の変化を見ながら、任意の測定周期でパソコンのハードディスクにCSV形式などで記録されていきます。

泥水を使ったタービン実験を行ないました

実験結果のタービン性能は、設計予測どおりの大変良いものでした。
泥水は予想したように、チョコレートを溶かしたような液体であり、ちょっと食料品材料を練っているような感じでしょうか。

しかしその性質を測定する方法は手順や種類が複雑で、石油業界のAPI規格というものに順ずる為、厳密に測定するには測定器具を使って測定を行う必要があります。

ターボドリル開発設計概要画像

VGメーターというゲル状液体の各種動粘度を計る特殊測定器です。

ターボドリル開発設計概要画像

天秤はかりのような測定器具を使って泥水の比重を測定しているところです。

ターボドリル開発設計概要画像

泥水を攪拌機で作っているところです。

ターボドリル開発設計概要画像

泥水使用ターボドリルタービン性能測定も無事終わり、ターボドリルタービン本体を実験装置中から取り出しました。
掘削用泥水の中に浸っていたので、泥まみれになっていますが、攪拌が充分だったとみえ、泥が詰まることも無く無事運転されていたようです。

実験で使った泥水を処理に出しました

今日は、昨日まで行っていた「ターボドリル泥水実験」の片づけを行っていました。
実験装置の汚れた部分を磨き上げ、道具を片付け、掃除をしたりして昼過ぎにはほとんど終わっていました。
後残っているのは、実験に使用した掘削用泥水だけです。

ターボドリル開発設計概要画像

そこで、泥水を確実に処理する為に産業廃棄物処理業者の方に頼んで、バキューム処理車で左のように残らず吸ってもらうこととしました。
この2つのバケツに入っている手前の液体は、泥水を掃除するときの排水であり、奥の吸っているバケツの中のが粘性の高い泥水です。

ターボドリル開発設計概要画像

平たい容器に入れた泥水をバキュームで吸っているところですが、この泥水は昨日作ったばかりで
まだ1日しかたっていませんが、まるでプリンのように滑らかなプリプリしたゲル状かたまりとなっていました。
このようなプリプリのゲル状液でタービンが回転するのも本当に不思議なのですが、ここまで見事に固まるとなんだか捨てるのがもったいないぐらいです。

全ての実験関連作業が終わって、本当に安心しているところです。
1年前のちょうど今頃にこの実験に関する構想を行ってから、ここまで来ることが出来、構想を実現するための手順を
つつがなく行って来れたことを,廻りの皆さんの色々な協力を得てのことだと感謝しているところです。

ターボドリル用タービン性能実験装置の様子を見てきました

ターボドリル開発設計概要画像

今日は、先日まで実験を行なっていた「ターボドリルのタービン性能実験装置」の様子を見てきました。
実験の最後に、きれいに洗って掃除を行ったので、新品のようにピカピカのままです。

ターボドリル開発設計概要画像

実験タービンが入っている上写真のパイプ部も、全ステンレス製なのでこれもピッカピカです。
外から見ると内部のタービンの様子は全く分かりませんが、今回実験の結果で分かった性能の良いタービン羽根などが内部にぎっしり詰まっています。
今年は、更に別の開発要素を、この試験装置を使用して実験を行なうこともあるかと思います。
この様子ならその場合も、実験準備は万全です。

今年も国家プロジェクトであるターボドリル開発の暑い夏がやってきました

毎年この夏の時期に新規のタイプの開発計画として、国家プロジェクトである「深海底ドリリング計画」用の「マントル掘削用ターボドリル」の開発設計開始がやってきます。
暑い夏に必死になって、非常に困難な要求に対する新たな設計を頭からひねり出して行い、少しでも早く製作にかかれるように製作図の完成までもってゆきます。
これは、なかなか大変な作業ですが、マントル掘削成功という使命のためには成功するように必ずなしとげなければなりません。

ターボドリル開発設計概要画像 ターボドリル開発設計概要画像 ターボドリル開発設計概要画像

上図3点は、ターボドリル開発開始初期の頃に計画したターボドリルのタービン部3次元計画図となります。
一番上の図がタービン入口部、中間図がタービン部全体(多段軸流タイプタービンとなっています)
そして3番目の図がタービン回転数の減速部となります。
これらの詳しいことについては、また後日にご紹介しようと思います。

マントル掘削用ターボドリルのタービン+減速機 初期構想をより詳しく

マントル掘削用ターボドリルのタービン+減速機

昨日ご紹介した、マントル掘削計画にて使用される弊社にて現在開発中のターボドリル (タービンの力でドリルを回転させて掘削を行う機械:地底掘削マシンです) の初期構想を少し詳しく説明してみます。

ターボドリルは、海底掘削船から海底に向かって伸ばしてゆく 掘削用ドリルパイプの先端に付けて、船上からパイプを通して送られてくる特殊高圧液体の力により液体タービンが回転することでドリルパイプ先端の掘削ビットのみを回転させる機械装置となります。
伸ばしたドリルパイプ全体を回転させることなく、先端ビットのみを回転させるタービン駆動方式掘削は、正確に深く掘削孔を掘れるため、マントルまで到達するためには必須の掘削機械となります。

ターボドリルと呼ばれる機械の駆動源となる部分が、上図のタービン+減速機部となります。
とにかく細いパイプ形状の中で、非常に高圧の液体力を回転力に代える為には、タービンが非常に多段の羽根を持たなければなりません。
タービンが非常に多段となると、1段当たりの効率が高くないとロスが大きくなりすぎるので、タービン翼の設計には究極の効率を求められることとなり、難しい設計ですが、昨年の実験ではなんとか達成出来たと思います。
また、減速機について考えると、非常に多段なタービンとしてもまだまだ掘削ビットに最適な回転数にはタービン回転数は速すぎるので、どうしても減速機が必要となり、細いパイプ形状の中で高減速の非常に出力トルクの大きい減速機は困難な開発と言えましょう。

ターボドリル初期計画の仕様について

マントル掘削用ターボドリルの計画初期の頃の仕様としては、次の図のようになります。

ターボドリル開発設計概要画像

まず最も重要なタービンの出力は、40KW弱ぐらいが必要となり、それによる減速後の必要トルクは定格で3500Nm、最大で7000Nmと非常に強大なトルクを必要とします。
そのようなタービンを駆動する為の高圧液体が必要な圧力は60Kg/cm2以上と水ヘッドに換算すると600m以上の圧力となり、相当な高圧です。

ただ流量は毎分1200リッターと少なめであり、実際この高圧を作り出す船上のポンプはプランジャー型の容積式が使われます。

つまり高圧・小水量で直径が非常に細いケーシング中でタービン出力を出そうとすれば、多数の羽根でそれぞれの羽根が少しずつ圧力を消費しなければ全体として高圧を有効利用出来ないので、多段軸流反動型水力タービンとなっています。
ですから段数を更に増やせば、より高圧を使うことが可能となり、多段タービンユニットを多数接続していけば相当な動力を出せるようになります。
ただ、多段タービンユニットの連結は長さがドンドン長くなるので、おのずと限界はありますが。

(動翼+静翼)が250段の低速ターボドリル計画も以前行いました

(動翼+静翼)が250段もあり、減速機をなくしてタービンが直接ドリルビットを回転させる構造の低速型ターボドリル用タービンの計画も以前行いました。
タービンの回転数を減速させる減速機があると極限状態では故障の可能性が大きくなりますので、減速機をやめて非常に多段のタービンで直接ドリルビットを回転させることは意味があります。

ターボドリル開発設計概要画像ターボドリル開発設計概要画像

左図が(静翼+動翼)250段のターボドリル全体図となります。
少し分かりづらいですが、長さの7割ぐらいの部分が多段タービン羽根となる構造をしています。
右図は、タービンを駆動する高圧液体の入口側を見たものです。
入口側の軸受けのすぐあとから多段の羽根の重ね合わせが始まっています。

ターボドリル開発設計概要画像ターボドリル開発設計概要画像

そして左図は、タービン羽根下流部のドリルビットが取り付けられる部分を示しています。
タービン段数250段としてもドリルビット回転数は最大出力時に300~600rpmぐらいとなりますので、ビットはダイヤモンドビットなどの比較的高速向きが適応されます。
最後にお見せする右図は、タービンの1段の静翼と動翼の組合せ状態となります。

この翼の設計では、少しでもタービン回転数を下げる為に、翼形状はかなり衝動軸流型に近いものとなっています。
タービン段数がこれだけ多いと、タービン翼部製作が非常に高価となりますが、同機種を大量に作るのであれば、ロストワックスによる翼の大量鋳造が費用的に可能となりますので、ターボドリル全体の価格を下げることが可能となります。